2014.1.18.(土)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第11-3斬 「会議を利用して影響力をアップする(その2-3)(2014年1月18日)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼します」 第11-3斬
今日のターゲットは「会議を利用して影響力をアップする(その2-3)」
※第10斬 会議を利用して影響力をアップする(その1)(2013年12月28日)
※第11斬 「会議を利用して影響力をアップする(その2)(2014年1月16日)
※第11-2斬 「会議を利用して影響力をアップする(その2-2)(2014年1月17日)
■ステップ2:隠れた理由を明らかにする(拡大質問の活用)
あなた:「さきほど、大阪を当初の対象都市から外すと仰いました。東京と名古屋に絞ったのは、どんな理由ですか?」
賛成派:「なるべく早くサービスイン(企業の情報システムなどで、新しいシステムが正式に稼動を開始し、従業員などが業務で実際にそのシステムを利用し始めること)する為、2都市に絞らざるを得ないという点、名古屋で成功するサービスは全国展開しても成功するという過去の実績、この2点の理由です。」
あなた:「サービスインを早めるためには、社内リソース(資源)の制限があるかと考えます。どのように実現しようと考えていますか?」
賛成派:「男性向け市場に従事する人員をアサイン(割り当て)できると考えます。市場の縮小に伴い、余剰人員が発生している現状があります。」
あなた:「人材リソースの有効活用ができるという点は面白いですが、スキルセット(技能・技術の組み合わせ)がミスマッチしています。その点はどのようにカバーしますか?」
賛成派:「短期的にはインソーシング(自社の業務の一部または全部を外部の業者に委託[アウトソーシング]していた企業が、その業務を再び自社内で行うこと)で対応します」
あなた:「男性向け市場においては、弊社の営業力・商品開発力・顧客サポート力、いずれも競合他社を圧倒しています。男性向け市場の担当部署を縮小するというデメリットを許容してまで、なぜ女性向け市場に参入するのですか?」
賛成派:「中期売り上げ目標を達成する見込みが高いと考えるからです。」
あなた:「もしも、男性向け市場の売り上げを強化するプラン・施策があるならば、女性向け市場に新規参入するという冒険をしなくても良いと思いますか?」
賛成派:「中期売り上げ目標を達成するのであれば賛成です。」
いかがでしょうか?
限定質問・拡大質問を使い分けることによって、
賛成派の弱点(根拠となるデータの信憑性、社内調整が不足している点、後発組のハンデ)、
賛成派が大切にしている価値観(早いサービスイン、中期売り上げ目標の達成)などが、
浮き彫りになることをご理解いただけたと思います。
とりわけ、最後の質問「もしも質問」は、相手の本心・ホンネを知ることができるすごい質問です。
「もしも~ならば……」と質問を投げかけることで、相手はこの提案を現実のものとして考え始めます。具体化したイメージを相手に投げかけ、それに基づいて相手に考えてもらうテクニックです。
先ほどの例では、賛成派から「中期売り上げ目標を達成してもね・・・」という返事が来た場合は、「女性向け市場に新規参入」しなくてはならない理由が、実はまた別のところにあると分かるわけです。
上記紹介した「限定質問」「拡大質問」「もしも質問」について、バーニングマインド・理事を務める太田龍樹の著書
『すごい説得力(知的行き方文庫)』の第2章「あなたの説得力が倍増する質問法・反論法」で紹介されていますので、どうぞ参考にしてみて下さい。
次回のコラム「会議を利用して影響力をアップする(その3)」では、説得力・信頼感をアップさせるためのちょっとした工夫をご紹介します!
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
また本年も、バーニングマインドを宜しくお願い致します!!
以上、コーチ・オクヤマより魂を込めて。
「会議を利用して影響力をアップする(その3)」