論題詳細

講評

BM Debate GrandPrixⅣ 全体講評

論題

「論題1:米国大リーグ(MLB)は、
日本シリーズ優勝チームにワールドシリーズ出場機会を与えるべきか否か?」
「論題2:日本の国民食といえば、ラーメン? カレーライス?」
「論題3:東京都は、2016年オリンピックを誘致すべし。是か非か?」

講評:高澤 拓志

シングルディベートの最高峰 BMディベートグランプリ選手権試合
4回目を迎えた今回は、優勝者の称号をBMディベートキング改め、
「BMディベートチャンピオン」と新たにし、これまでとは違ったフレッシュなディベーターによって熱戦が繰り広げられた。
初代BMディベートチャンピオンの栄冠を勝ち取ったのは、果たして・・・
その意外な結末に、コクリツの空は雷鳴を轟かせていた。


【予選第一試合 肯定:中村雅芳 否定:中村貴裕】
「論題:米国大リーグ(MLB)は、日本シリーズ優勝チームにワールドシリーズ出場機会を与えるべきか否か?」

BMディベート史上初となる兄弟対決がついに実現。
三十数年、共に慕い、守り、助け合ってきた二人。
中村ファミリー(ご家族、ご両親、お婆さま、おじ様など)が見守るなか、 闘いは静かにスタート。
直前のサイド決定では、弟の雅芳が最強の「エース」を引き当て選択権をゲット。
迷わず肯定側を選ぶ雅芳。
一方、「クイーン」を引きながら、選択権を得られなかった兄・貴裕は、やや驚いた様子。すでに勝負の行方は、やや雅芳優勢か!?

【予選第二試合 ラーメン:中西 カレーライス:久保田】
「論題:日本の国民食といえば、ラーメン? カレーライス?」

BMのイケメン対決。 今大会の目玉、中西夏雄が、一年半の沈黙を破りGP初登場。迎えるのは、大会最多出場を誇る久保田浩。
そのクールさからか、価値論題にやや苦手意識がある久保田に対し、パフォーマンス男 中西夏雄が挑戦するかたちとなった予選第二試合。
中西の先制攻撃「カレーを三分間で料理しちゃいます!」
の挑発的な一言で試合は始まった。

【決勝戦 肯定:久保田 否定:中村貴裕】
「論題:東京都は、2016年オリンピックを誘致すべし。是か非か?」

兄弟対決を制した中村貴裕こと、タカと、苦手な価値論題で勝利をものにした久保田浩による決勝戦。
2005年夏のGP決勝「靖国対決」の再現となった。
共に調子は上向いているようだが、勝ち上がり方から勢いは中村タカか。
勝ちに餓えた男 久保田と、闘いに餓えた男 中村タカの対決が始まった。

「閉塞した日本に活気と自信を」という、かなり大きな哲学を掲げた久保田に対し、丹念にその効果の数値化を突いてゆく中村タカという展開で前半戦がスタートした。

「夢」、「希望」といった測りづらいものを哲学としてあげているだけに、久保田には やや苦しい展開だ。しかし、逆にデメリットにおいても、有効打は放たれていないようだ。
中村タカの挙げるデメリット(オリンピックを招致しなかったときのメリット)も、憶測の域をでていない。
このままいけば、肯定久保田の経済的なメリットが残るのでは?
そう思い、判定を待つ。

結果は、中村タカの勝利。
BM審判団の判定は久保田優勢であったが、オーディエンスの圧倒的支持を受けた
中村タカの勝利。初代BMディベートチャンピオンとなった。
その圧倒的な迫力と自信にあふれたオーラは、彼をコクリツの舞台へと進ませただけでなく、ついには頂点まで上らせた。

つくづくディベートは難しい。
論理展開の甘さを、持ち前の雰囲気でカバーし、予選勝ちした久保田が、決勝では全く逆に中村タカの勢いに飲み込まれた。
観戦を終えて、私の心に浮かんだ言葉は、そう、「勝利は、最後まで勝利を信じたものの手に舞い落ちる」
人間模様こそ最高のエンターテインメント。
論理だけでは語りつくせない勝敗があるからこそ、BMディベートはエンターテインメントなのだろう。

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