2016.10.6(木)
第40回 「築地市場移転問題」(2016年10月6日)
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第40回
築地市場の移転問題が大変なことになっています。
前回のコラムでは、移転再開という既定路線に戻すところまでが新都知事の仕事で手腕の見せ所と書きましたが、盛り土問題が出てきたことでかなり難しい問題になってきました。
なんだかこの新市場の問題は、ムチャクチャだなぁ、と思う向きも多いと思いますが、こんな時こそ問題の切り分けが大切です。
今回の問題のは、
1、豊洲新市場と築地市場の安全性の比較
2、情報公開を含む都政のガバナンス
という2つの問題に集約されると思います。
2つ目の都政の問題は、大きな問題で1つ目の安全性に不安を感じさせる原因ともなっています。
しかし、だから移転できないという問題(理由)にはなりません。
しかし、この事を混同した報道が多いように感じます。
この混同報道と合わせてもう1つ気になるのが、新市場の危険性に対する印象操作がなされていると感じる点です。
闇の地下空間、などといった表現は事実以上の、リスクを煽っていると感じます。なぜ地下ピットと報道しないのでしょうか。
一番酷かったのは、
地下のたまり水から、環境基準の4割のヒ素が検出!
と各メディアが報じた事です。
これは、読み返せば、地下水からは基準値を上回るヒ素は検出されなかった。という事。
これは、印象操作を疑われても仕方ないと思います。
おそらく、新市場への移転は進められると思います。
つまり、政治的な着地点は、
延期→調査→問題究明と対処策→移転
となると踏んでいます。
その着地点に進むためには、都政の問題は別に改革を進めながら、安全性については、数値に基づいた築地市場の危険性との比較が大切だと思います。
都政の改革は、提示された数値が、信頼される為に必要なのです。
皆さんはどう思いますか。
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