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2016.4.8(金)
第34回 「希望感を意識する」(2016年4月8日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第34回

ある女性演歌歌手が下積み時代にスナック回りをしていた時のこと。
レコードと合わせてサイン色紙をお客さんに渡していたそうです。
あるとき、酔ったお客さんが、「こんなものはいらない」と色紙を目の前で破り捨ててしまったそうです。
その歌手は、そのあとも笑顔で歌い終えた後、お手洗いで涙を流したそうです。
しかし、「きっと、サインに価値を認めてもらえる歌い手になる」と希望を新たに、また悔しさをばねに努力を重ねたそうです。
その歌手とは、「ふたり酒」で大ヒットを飛ばした川中美幸さんです。
このお話をさせていただいたのは、「希望」を持ち続けることが、努力の継続につながった、という事例を引きたかったためです。
このことは、使い古された話であると同時にとても重要なことと思います。
「希望感」といのだそうですが、この希望感を意識することが今の日本に大切なように思います。
政治家の質の低下、企業の質の低下、安全神話の崩壊など「日本は大丈夫か?」と思わせる事態が毎日のようにニュースをにぎわします。
それぞれの直接の原因は様々あるのですが、総じて「仕事をする人の必死さや真面目さの欠如」「そこからくる、あと少しの頑張不足」が共通した原因ではと思います。
心理学では「希望や夢を持っているから、人は努力を継続できる」といいます。
確かに自分の将来や会社や組織に希望が持てなければ、最低限の仕事でよしとし、それ以上の頑張りが出てこないでしょう。
4月は、日本にとっては新しいスタートの季節で、そこここに「希望」が溢れています。
新しい学校、新しい仲間、新しい会社、初めての経験。
新しいということは、不安でもありますが、大きな希望のもとでもあります。
この希望を育て続けてあげることこそが、新しい人々を受け入れた、組織のリーダーや教育者の一番大切な仕事です。
4月、この国中に溢れている希望を大切に育てることができれば、壊れてしまった日本の神話を容易に取り戻せるはずです。
一国のリーダーを憂うだけでなく、自身が希望を育めるリーダーになっていきたいと強く思います。
皆さんはどう思いますか。

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