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2015.12.25(金)
第30回 「軽減税率」(2015年12月25日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第30回
日本の製造業を支える製造装置メーカのA社とB社。
A社は、お客様の要求にこたえるために、製品に様々なカスタマイズを行い販売する。一品一様と言っていいほど個別のケースに対応している。
B社はまったく逆のスタンスで、標準化をしカスタマイズ要求には応えない。その分、壊れない設計にこだわり、永久保守を約束する。
2社の売上高は、ほぼ肩を並べるレベルであるが、経常利益はなんど20倍近く違う。
個別のお客様対応をしないB社の方がダントツに利益が高い。
お客様の評価を得て売上高を上げるために良かれと思ってやっていることが、実は損につながっているという実例。
さて、いきなり何の話をしているかと言いますと、軽減税率のお話です。
「税と社会保障の一体改革」からスタートしている消費税増税ですが、国民の理解を得ずらい改革だけに、紆余曲折があります。
少しでも税の公平感を保とうと、軽減税率が検討されています。生活に直結する商品については、10%ではなく8%に据え置こうという議論です。
では、何をもって生活必需品とするのかで、議論が紛糾しています。
12月15日のニュースによると、
 マックで食べる        軽減税の対象外
 マックからテイクアウト    軽減税の対象
 ビザやで宅配         軽減税の対象
 弁当をコンビニ内でイートイン 軽減税の対象
だそうです。
もう、かなり複雑です。
レストランで頼みすぎて、テイクアウトするとどちらになるのでしょうか?
そもそもは、財源の確保の為に増税が必要というところからスタートしています。
しかし、一部の人を守る為に軽減税率の話が出てきました。
そして、軽減税率の話が具体的になってくると、ケースによってとても煩雑な切り分けが必要になっています。外食一つをとってもサービスが多様化しており、補足できないケースも出てきそうです。
国民の一人一人のニーズに寄り添うために、軽減税率について準備を進めれば進めるほど、消費税アップ分の税収は目減りし、税の回収コストばかりがアップしているように思います。
先のA社とB社の比較ではありませんが、改革の本質を見失い目先の利便性や公平性にとらわれていると、国民の労働力の多くがくだらない事務作業に浪費され、国の力を弱めてしまうのではないでしょうか。
皆さんは、どう思いますか。

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