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2015.2.13.(金)
第19回 「ISIS~日本人殺害事件~」(2015年2月13日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第19回
イスラム国による、後藤さん湯川さんの殺害について
このコラムでも触れておきたいと思います。
様々なメディアで扱われているのですが、一つ気になる争点があります。
「自己責任論」です。
「自己責任アリ」派の主張は、
・自分の判断で行っている
・それにより、多くの人々に迷惑をかけた
・日本の国際的な立場を危うくした(テロの標的になった)
というものです。
確かに事実として、外務省は3度にわたり後藤さんの渡航中止を促しています。
これらの主張は、論理的には全く間違っていないと思います。
「やめなさい」と言われていたことなのに、やってしまって問題を引き起こしたことは事実です。
しかし、一方で彼らのような行動が全くなかった場合、我々は安全な場所にいながらにして、イスラム国の状況を知ることができるのでしょうか。
お茶の間で、彼らが命がけでとってきた情報を見ておきながら、問題が起こったときにのみ、「自己責任論」を持ち出すのはご都合主義です。
政府は懸命に行動をとったと思いますが、実際のところはどのような経緯があったのかは、機密情報保護法などに守られ明らかにはならないでしょう。多くの重要な情報が隠されていく中で、後藤さんや湯川さんのもたらした情報や活動は、本当に貴重なものといえます。
彼らは確かに勝手な行動をとった。
だが、その行動から我々は利益を受け取っていた。
このことは忘れてはならないと思います。
皆さんはどう思われますか?

2015年2月12日の毎日新聞夕刊に掲載されていた、読んでおきたいイスラム関連の5冊※宮田律さん推薦
『イスラーム基本練習帳』山内 昌之 (監修)
『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』ロレッタ ナポリオーニ (著)
『「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命』重信 メイ (著)
『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1』ジョン・J・ミアシャイマー (著)
『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』宮田 律 (著)

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