2015.3.1.(日)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第29斬 「人間関係を深める」(2015年3月1日)
第29斬 「人間関係を深める」
皆様、こんにちは。
2015年2月25日の朝日新聞デジタルの記事によれば、
独立行政法人・海洋研究開発機構にて、
なんと世界で最も深いマリアナ海溝の底まで行くことができる有人潜水艦を開発中のようです。
その名も「しんかい12000」。
深さ1万2千メートルのマリアナ海溝を連想させるネーミングに胸がドキドキします。
視認性を向上する為、操縦席の周りを、
厚さ約5~10センチの球形状の強化ガラスにするなど最新技術を盛り込むとのこと。
深海の水圧は想像を絶するものがあり、ほんのちょっとカスリ傷がついただけで、
ブ厚い強化ガラスであっても、壊れてしまうそうです。
その為、開発には時間がかかり、2020年台後半の完成を目指す計画になっています。
海洋国家「日本」としては、どの国にも負けられない勝負になりそうです。
是非、国の威信をかけて頑張って欲しいところです!!
さて、今回のコラムでは、「深い」ということに関連して、
「人間関係の深さ」について考察していきたいと思います。
ビジネスにおいて、個人の力は当然重要なのですが、
乏しい組織力しかなければ、大きな成果をあげることはできません。
まず、組織力の源泉について考えてまいります。
マサチューセッツ工科大学のDaniel Kim教授は、
組織の成功循環モデルとして、「グッド・サイクル」を提唱しています。
グッドサイクルとは、
①「関係の質」 相互理解があり、尊重しあっている。
②「思考の質」 お互いを助け合う思考がうまれ、重要な情報やアイディアが共有される。
③「行動の質」 自発的に、新たなチャレンジや助け合う行動が生まれる。
④「結果の質」 売上や成績が向上する。
⑤「関係の質」 更に組織の関係性が良くなる。
というように、組織がどんどん成功していく好循環な状態を指します。
少し説明を加えると、
「④結果の質」として最高の結果を求めるのならば、「③行動の質」を良いことが前提となります。
そして、「③行動の質」を良くするには、「②思考の質」が良いことが前提となります。
さらに、「②思考の質」を良くするには、「①関係の質」が良いことが前提となります。
このように、辿っていくと結局は「①関係の質」が成功への最初の一歩であり、
最大の鍵ということになります。
一方、バッドサイクルというものがあります。
バッドサイクルとは、
A「結果の質」 業績が悪い。
B「行動の質」 結果を出すための行動目標を定める。
C「思考の質」 行動目標を達成することのみに注力し、創造的な思考ができなくなる。
D「関係の質」 対立や命令。責任のなすり合いや、自己防衛がおきる。
E「結果の質」 売上や成績が思うように伸びない。
というように、頑張っても結果が出ない状況です。
例えば、あなたが新しいプロジェクトのリーダーになったとします。
プロジェクトの成果を早期にあげたいがために、
焦って具体的な施策や方針について考えたくなりませんか?
それは、まさに「バッド・サイクル」の罠にハマってしまいます。
十分に気をつけなくてはなりません。
それでは、「グッド・サイクル」に導くために、
「関係の質」をどうやって改善していくのか?
改善の要諦としては1点「人間関係を深める」しか道はありません。
人間関係を深める道筋としては、以下のようなステップを踏みます。
ステップ1.「相手に興味・関心を持つこと」
ステップ2.「相手(相手の価値観)を受け入れること」
ステップ3.「自分のこと(自分の価値観)を隠さずに話すこと」
ステップ1に関連して、
弊社のセミナーでも「他人への興味・関心が薄い」と自己申告する受講生を多く見受けます。
何もしないのに「他人から(自動的に)自分に興味をもってもらう」というのは、
ムシが良い考え方でしょう。
逆説的ですが、自分に興味をもってもらう取っ掛かりとして、
まずは「他人への興味・関心を持つ」ことが極めて有効です。
ステップ2で注意する点としては、
「相手(相手の価値観)を否定しないこと」です。
それは相手の心にキズをつけることにつながります。
潜水艦の強化ガラスも小さいキズ一つで壊れてしまうことを想像してみてください。
昨今ナイーブな若者が増えていますので、より一層注意が必要です。
ステップ1とステップ2を慎重に進めていければ、
後は、ステップ3で赤裸々に自分が大切にしているものを語るだけです!!
弊社のセミナーでは、より具体的な方法論を提示して、
「さまざまな立場の人とのコミュニケーション」を円滑にするコツを学ぶことができます。
人間関係の構築でお困りの方は是非、門戸を叩いてみてください。
必ず力になります!!