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2015.1.4.(日)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第27斬 「推論する力」(2015年1月4日)

ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第27斬 「推論する力」
皆様、明けましておめでとうございます。本年も、BURNING MINDをよろしくお願いします。
さて今回のコラムでは、「推論する力」についての考察してみます。
現実に起こっている事象から、ネオ・ディベートの手法を利用して、
今後の予測をするという試み。年始ならではの大予想です!
まずはキャストライトアップから行っていきましょう。
バーニングマインドの国際派を気取りたい筆者としては、
日本以外の国から斬っていきたいところです。
 1)中東諸国
 2)アメリカ
 3)日本
の順番で進めていきましょう。
まずは、「原油価格の下落」という事象から中東諸国を見ていきます。
大阪経済大学客員教授の岡田 晃(おかだ・あきら)氏によると、
『原油価格下落は世界的な原油の供給過剰が背景にある』と分析しています。
それでは、なぜOPEC(石油輸出国機構)は減産しないのでしょう??
OPECが減産に踏み切らなかった理由は、
アメリカが推進するシェール革命にあります。
シェール革命によって米国の原油生産が増えているため、
ここでOPECが減産するとシェアが減ってしまうからです。
いわば「アメリカとの我慢比べ」という訳ですが、
原油価格は下げ続けるのでしょうか?
筆者はそれはないと推測しています。
理由は中東諸国の財政状況です。
外貨準備が潤沢なサウジアラビアなどはある程度は我慢できるかもしれませんが、
財政的に厳しい産油国、たとえばクウェート、イラン、イラクなどは、
「我慢比べ」に音を上げかねない財政状況です。
つまり、『原油価格が下げ止まる、もしくは反騰する』という見立てが立ちます。

続いて、「中間選挙の民主党の敗北」という事象からアメリカを見ていきます。
中間選挙における民主党の敗北により、
オバマ政権は独自の政策(理念)を実現することが難しい状況になりつつあります。
また、米国内では黒人と白人の人種対立が深刻化しており、
オバマ大統領の名声は非常に危ういものになっています。
人類社会の過去を振り返ると、自分の在任期間が終わりに近づくと、
政治家は自分の名声を確固たるものにしたがる傾向にあります。
どうしても名声を確立したいオバマ大統領にとって、
限られた政治手段の中から有力な施策を抽出してみると、
『プーチン大統領を屈服させる』ことが挙げられます。
先日、ロシアでは「自国通貨ルーブルが急落する」という事象がありました。
この通貨暴落の引き金を引いたのが「原油価格の暴落」です。
実は、ロシアは輸出額の7割をエネルギー輸出に頼った国です。
「原油価格の下落」により、石油の価格が大幅に低下して、
ロシア経済に深刻なダメージを与えています。
「原油価格の下落」はアメリカにとっても歓迎すべき事態ではないですが、
オバマ政権は介入する素振りすらみせません。
明らかにプーチン大統領を叩きに出ていると見るべきです。
当然、経済制裁も続けることでしょうし、ロシア経済にとっては、
逆風が続くことが予想されます。
最後に、「総選挙における与党の圧勝」という事象から日本を見ていきます。
衆議院の議席の3分の2を占めた与党は、少なくとも今後2年間は、
野党の反対をモノともせず、構造改革・規制緩和に突き進むことができます。
早くも「法人減税」と「介護報酬引き下げ」を検討開始している事象を見ても、
与党のやる気は相当なものです。
一方、政治的名声を熱望するオバマ大統領が「TPP最終合意」にむけて、
強いプレッシャーをかけることが確実であり、
「TPP」が発効すれば、さらに構造改革・規制緩和が加速する見通しが立ちます。
そして、構造改革・規制緩和の結果として、
日本経済の国際競争力は確実にアップすることになり、
強い日本経済が復活することが期待されます。

以上、今年の予想をお伝えしました。
これらは全て「事象に基づいた仮説」にすぎません。
しかしながら、「仮説→検証」を繰り返すことにより、
未来予測型のシュミレーションの精度を上げることが可能となります。
シュミレーション力つまり「推論する力」は、
どの企業・業界でも必要なスキルと言えますので、
トレーニングを希望する方は、是非弊社のセミナーを受けにきてください!!

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