2014.11.12.(水)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第25斬 「人と繋がる力」(2014年11月12日)
第25斬 「人と繋がる力」
皆様、こんにちは。
人手不足による「すき家」の大量閉店のニュースも記憶に新しいところですが、
2014/11/4(火)には、東京地裁にてパワハラ自殺の損害賠償命令の判決がでました。
判決では「限度を明らかに超えるパワハラがあるのに何ら対策をとらなかった」として、
東京都を中心に「ステーキのくいしんぼ」を展開する「サン・チャレンジ社」、
そして社長に対して、約5,800万円の支払いを命じています。
自殺をした男性は2007年に入社。2009年7月に店長になり、2010年11月に自殺。
2008年2月ごろからパワハラと長時間労働が恒常化。
2010年4月から自殺までの間の休日はたったの2日間だけで、
残業は最大月約230時間に上ったという。
加えて、上司の暴言やしゃもじで殴る暴行、
発注ミスを理由とした休日呼び出しなどがあったそうです。
筆者も20代後半に残業200時間超を4か月連続という経験したことがありますが、
少々頭がおかしくなりかけたことを記憶しています。
幸いなことに、パワハラという圧力がなかったので無事でしたが、
自殺をせざるを得なかった男性は心底辛かったのでしょう。
判決に対しサン・チャレンジ社は、
「判決の詳細を把握していないのでコメントできない」との談話を出しましたが、
責任ある、真摯な態度で遺族に向き合って欲しいと願います。
13年前の話となりますが、
実は、筆者が社会人になって初めてできた後輩が、自殺で亡くなっています。
自殺以外に逃げ場がないほど追いつめられてしまった後輩の心情を想像し、
彼自身が逃げ場と感じる相手が一人もいないと絶望して自殺に踏み切ったことを考えると、
今でも自分を責めたい気持ちでいっぱいになります。
本当の後輩だったので、
悩みや苦しみを吐露することができなかったのかもしれません。
一人で抱えず、誰かに自分の弱さを吐き出すだけで、
相当気持ちが軽くなることを読者の皆様は経験されているのではないでしょうか。
そう考えると、苦しいときに手を差し伸べてくれる、
信頼できる友人・仲間・先輩・上司を自分の周りにどれだけ作れるかが大切になります。
そこで今回のコラムでは、「人と繋がるチカラ」について考察していきます。
そもそも「人と繋がる」ってなんでしょう?
昨今、インターネットの普及に伴い、IT技術が目覚ましい進化を遂げています。
メールをはじめとした情報連携ツール、SNSやFacebook、LINEなどもあります。
つまり昔に比べると格段に、コミュニケーションの手段は増えている状況です。
一方、現状に目を向けると、人との繋がりが希薄化しているような気もします。
この矛盾はいったいなんなんでしょう?
用件だけを伝えるという点では、確かにメールやLINEは非常に便利です。
ただ、その分、電話での会話や直接会う機会は減っていませんか?
筆者は「人と繋がる」ということを、「価値観の共有」と捉えています。
感動した気持ち、腹が立って狂いそうな気持ち、悲しくて泣きたい気持ち、
いますぐ走り出したくなるようなやる気に満ちた気持ち、
そういう気持ちを、自分以外の人とわかちあうことで、
「ああ、いまコイツと繋がっているな」という実感が生まれるのではないでしょうか?
メールやLINEでは、こうした”気持ち”は伝わりづらいと思います。
人間は感情の生き物です。
言い方を変えると感情に支配されている側面もあります。
もし、自分の感情をコントロールすることができれば、
人生はだいぶ生きやすくなるはずです。
注