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2018.4.5(木)
アビコ青年のディベート事件簿
File65「“見た目で判断しないでほしい”と思うなら・・・」(2018年4月5日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 65

本日のテーマは、「“見た目で判断しないでほしい”と思うなら・・・」です。

■お笑い芸人、カズレーザーさんの鋭い視点

メイプル超合金のカズレーザーさん。
奇抜なファッションと個性あふれるキャラクターで人気ですが、
鋭い視点とコメント力にも定評があります。

とあるバラエティ番組でのこと。
「人を見た目で判断しないでほしい」と話す女子大生へのコメントも秀逸でした。

彼女はほとんど遊ばず真面目に学業に取り組んでいるのに、
顔つきや服装などで「チャラい」と判断されがちと不満をこぼします。
確かに自分のことを何も知らない相手に、
外見だけでネガティブな判断をされるのは腹立たしいでしょう。

■「人を見た目で判断するのは当たり前のこと!」

ですが、カズレーザーさんのコメントは次の通りでした。

「人を見た目で判断するのは当たり前のこと!
生き物っていうのは視覚情報、見た目で物を判断するように進化してきているのね。
一瞬で得られる情報が多いから。
音とか匂いとかよりも目で見た情報っていうのが、
1秒あたりに伝わる情報量が圧倒的に多い。
見た目で判断するというのは、もう本能的にあるものなのね。
すべてが表れるものだからね、外見っていうのは!」

「もし『こういうイメージを持ってほしい』って思うなら、
それに則った格好をするべきであって。
例えば、真面目に思われたいんだったら、真面目に思われる格好をするべきじゃない?
地味なスーツとか制服とか。
派手な格好をしていたら、派手な格好をする理由を向こう(周囲の人)は推測するわけだから、
『ちょっと遊んでいるのかな』とか思うのはごくごく自然なことだと思うよ。」

「いろんな選択肢がある中で、この服を選んでいるわけだから。
だから、『人を見た目で判断しないで!』っていうのはちょっとわがままな意見だと思う。」

人が「見た目(視覚)」から多くの情報を得るのは、「本能的に」当たり前のこと。
その事実から目を背けていては、都合のいい主張にすぎないという鋭い指摘です。

■見た目の効果を逆手に取ればいい

この事実は、むしろ逆手にとってしまえばいいのです。
人が見た目で判断するなら、見た目を上手く活用すればいいのです。
例えば私は自己紹介をする時に、自分の「見た目」を活用しています。

私は日本人離れした大柄な体形なので、これを活かさない手はないと思っています。
最近、新しい環境で仕事をしているため、
お会いするお客様や関係者も初対面の方ばかりです。

お互いに人となりがわかりませんから、
どうしてもぎこちない空気が漂いがちです。
そんなとき、見た目を使うとぐっと心の距離が近づきます。

私 「見ての通り、私は巨体なんです。
何が困るかといえば、普通のお店で靴が買えないんですよ。」
相手「え、どうしてですか?」
私 「私、足のサイズが30センチなんです。」
相手「本当ですか!?」
私 「はい、本当です。なので、今お借りしているスリッパも見ての通り、
かかとがむき出しなんですよ?(相手に見せる)」
相手「ほ、本当ですね!大きすぎてはみ出てますね。。笑」
私 「そんな大足なので、靴を買うためだけに、
わざわざ電車に乗って東京の専門店に行っていたほどなんですよ。」
相手「それは本当に大変だ!笑」

こんな具合に、見た目の分かりやすい特徴を使いながら自己開示してみると、
相手の方も心を少しずつ開いてくださるのが伝わってきます。

■説得する道具は、言葉だけではない

理論武装、という言葉を好む若手の営業マンがいました。
相手を説得するには、絶対に負けないロジックを作って、
お客様に対峙すればいいはず。そう信じているようでした。

ですが、このコラムを読んでいる皆さまならお察しの通りです。
それだけでは、相手が心を開いてくれるはずがないのです。
むしろ警戒心を強められるだけなのです。

人の心の扉を開くのに、筋道のしっかりした話し方は大切です。
ですが、相手は話の内容だけを聞いているのではないのです。

以上、アビココラムでした。


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