BMブログ

BMブログ記事詳細

2017.10.6(金)
アビコ青年のディベート事件簿
File62「文字では伝わりにくい“感情”」(2017年10月6日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 62
本日のテーマは、「文字では伝わりにくい“感情”」です。

■ホリエモン「仕事中に電話をかける人とは付き合うな」
「自分の時間を奪う最たるもの、それが『電話』だ」
「誰もが自分の都合のいい時間に情報にアクセスできる『メール』でやり取りすればいい。
たとえ目の前に相手がいる時でも。」
これは、堀江貴文氏が先日受けたインタビューでの発言です。
http://toyokeizai.net/articles/-/174408
過激な発言の根底には、仕事中で忙しい相手の都合も考えずに、
些細なことで電話をかけてくるのは失礼だ、という考えがあります。
言葉のチョイスはさておき、確かに一理あるでしょう。
ですが、納得するには抵抗感があります。
そもそも堀江氏の主張には、
「文字(メール)があれば必要十分な意思疎通ができる」という前提があります。
果たしてそうでしょうか。

■「文字には表情がないから」
私の学生時代の友人に、異様にメールの文面が丁寧な友人がいました。
親しいはずの相手にも「です・ます調」で文面を埋め尽くすのです。
当時、国文学を先行していた彼は、
言葉に対して鋭敏な感性を持ち合わせていました。
ある時、どうしても気になって彼に理由を尋ねてみると、
彼は一言、こう言いました。
「だって、文字には表情がないから」
彼曰く、直接会って話すのと比べて、メールはどうしても「無機質」なもの。
よほど感情表現を工夫しないと、思わぬ誤解を招く恐れがあると言うのです。
「メール(文字)の限界」に対する彼の認識は、確かに納得のいくものでした。
(余談ですが、「そうは言っても他人行儀だから“ですます調”はやめてくれよ…笑」
とお願いし、それ以降はもっと砕けたメールになりました。)
結局、顔文字や絵文字、LINEのスタンプなどは、
文字では表現できない感情表現を補完しているのです。

■電話の意義
とはいえ、さすがにビジネスメールに絵文字を使うわけにはいきません。
だからこそ、電話の意義は大きいのです。
電話を使えば、相手の声から“表情”が読み取れるからです。
・甲高い声、低い声
・早口、ゆっくりとした話し方
・元気のある声、元気のない声
・落ち着いた雰囲気、焦っている雰囲気 等々
メールでは伝わらない相手の息づかいや雰囲気から、
相手の本心を知るためのヒントがたくさん手に入ります。
「分かりました」と文字で書けば「了承・承諾」の意味ですが、いざ電話で話してみると、
「(本当は嫌だけど)分かりました…」の意味だったと気づくこともあります。
この(本当は嫌だけど)の部分を知るためには、メールは電話にかないません。
そう考えると、以下が私の結論です。
「電話とメール、それぞれの良いところをミックスさせながら
 両者をうまく活用してコミュニケーションするのがベターである」

■理屈だけでは、人の心は動かない
「“上司が話をしているときは目を見て聞け”とか“会議中にはスマホをしまえ”と言われても、屈してはいけない。それでクビにされるような会社だったら早く辞めたほうがいい。大事な会議で、あえてスマホをいじる勇気をもってほしい。」
(堀江氏のインタビューより抜粋)
堀江氏にとっての“スマホいじり”は、
情報収集を効率的に行う大切な時間です。
ですが、効率ばかり追い求めているその姿には、
人間の“情”に対する理解が抜け落ちています。
“あえてスマホをいじる勇気”を持ってしまえば、
情報を得る代償として、人としての信頼を失うでしょう。
なぜなら、そもそも人間は“感情で動く生き物”だからです。
不遜な態度をとって相手に嫌われてしまったら、
どんなに優れた情報でも相手は聞く耳を持ってくれません。
その現実を直視すると、
意外なほどシンプルに人間関係は改善するものです。
以上

※お知らせ 第24期『使えるディベートセミナー』(2018年4月22日(日)スタート)の受講生募集中です。
皆さんの人生を切り開ける武器を、一緒に学んでみませんか?
↓↓募集要項はコチラ↓↓
http://www.burningmind.jp/debate_seminar/

以上、アビコレポートでした。

PAGE TOP