2017.9.7(木)
アビコ青年のディベート事件簿
File61「足りない言葉を補うもの」(2017年9月7日)
本日のテーマは、「足りない言葉を補うもの」です。
■意外と気になる「間違った言葉遣い」
あまり神経質になってはいけませんが、
言葉を大切に扱うのがコミュニケーションセミナー講師の使命。
そこで、本日は日常にあふれる間違った言葉遣いにスポットを当ててみます。
本コラムに目を通して頂いている皆さまなら、
私が言うまでもなく感じているはずです。
例えば、コンビニ店員さんのいわゆる「バイト言葉」。
・フォークは2つで「よろしかったでしょうか?」
→正しくは「よろしいでしょうか?」。
初めて確認するのに過去形は使いません。
・お手洗いは突き当りに「なります」
→正しくは、突き当り「です」。
~になる、は変化を意味する表現。
それでも、笑顔で気持ちよく接してくれる店員さんに会えると、
多少のことならどうでもよくなってしまうから不思議です。
■メールで露見する知性と感性
より目につきやすいのは、メールなど文字化されたものです。
プライベートのやり取りならさほど気にすることもありませんが、
これがビジネスメールになれば話は別です。
ところが、次のような表現は日常的によく見かけます。
「各位殿」 →ただしくは「各位」
「部長様」 →役職に様はつけない。正しくは「部長 ○○様」
「させて頂く」→数回程度なら違和感もないが、
1つのメールに何度も登場すると回りくどい
「拝見させて頂きました」→二重敬語。正しくは「拝見しました」
「了解しました」→目上の人には「承知しました」「かしこまりました」が適切
「すみません」→正しくは「申し訳ございません」
「ご質問がございます」→自分の行動に「ご」はつけない。
挙げだしたらきりがありません。
他にも、「!」「?」を多用される方もいますが、
ビジネスメールでは控えた方がフォーマルな印象です。
■そんなこと言ったって、完璧は無理
とはいえ、完璧は無理です。
国語辞典を頭にインストールしない限り困難です。
ですから、ここでは割り切って、
「より良いコミュニケーションをするためにはどうすればいいか?」
という観点から、どのように対処すればいいのかを見ていきましょう。
大切なのは「相手に不快感を与えないこと」、それに尽きます。
多少間違った言い回しを知らずに使っていたとしても、
「彼に悪気があるわけではないだろうからな」
「まあ、彼女なら他意はないはず。仕方ないなぁ(笑)」
と思ってもらえれば大事には至りません。
では、そう思ってもらうためにはどうすればいいのでしょうか。
これはひとえに、日頃から誠実な態度で相手に接することです。
直接コミュニケーションを取れる機会がある時は、
言葉遣いはもちろん、相手に笑顔で丁寧に接すること。
その積み重ねと繰り返しが、たとえ直接会っていない時に何かあっても、
「普段の印象」がカバーしてくれるものです。
新入社員の頃に先輩から聞いた話を思い出します。。
営業の人間が外勤に出ていても、
その営業マンによって内勤者や上司の印象は様々なようです。
ある営業マン(Aさん)は、
「彼ならきっちり得意先を回っているはずだ」と思われる一方、
別な営業マン(Bさん)は、
「彼は大丈夫かな?サボってないかな?」と思われてしまう。
その違いは、普段のコミュニケーションや生活態度の積み重ねで
生じてくるものだと教わりました。
確かに、日頃から遅刻や提出物の遅延を繰り返す人には、
信頼(エートス)を感じることはできません。
■だからこそ、ロゴスだけでは不十分
普段から人との接し方を大切にしない限り(パトスの強化)、
いくら言葉遣いを完璧にできたとしても(ロゴスの強化)、
その人に対する印象は良くなっていかないでしょう。
裏を返せば、その両者を愚直に意識・改善した先には、
心から信頼できる人として認められるはずです。(エートスの獲得)
結局、日頃から積み上げた信頼の貯金が、
その人の印象を左右するのです。
そこで重要なのは国語の辞書を丸暗記することではなく、
普段から人には丁寧に接すること。これに徹するほかありません。
皆さまの周りにいる魅力的な人を思い浮かべて頂ければ、
きっとそんな素敵な振る舞いができているはずです。
身近にいるエートスあふれる方も参考にしながら、
日頃の立ち居振る舞いを見直すきっかけにして頂ければ幸いです。
ああ、耳が痛い…
うう、胸が痛い…
とても他人事とは思えないコラムを書いてしまいました。
今日から気持ちを新たに、丁寧に人と接していこうと思う今日この頃です。
以上
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以上、アビコレポートでした。