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2017.7.5(水)
アビコ青年のディベート事件簿
File59「言葉に力を宿すものとは?」(2017年7月5日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 59
本日のテーマは、「言葉に力を宿すものとは?」です。

■「批判の資格なし」とされる人々
今年のAKB48総選挙で、結婚を発表したメンバーが話題となりました。
グループの暗黙ルール「恋愛禁止」を突き抜けて、一気に結婚発表。
これに対して、興味深かったのは、
批判をしても世間から「共感される人」と「非難される人」に
はっきり分かれたことです。
元メンバーの大島優子は動画をアップし、
いわゆる「Fで始まる言葉(隠語)」で皮肉たっぷりに批判。
ですが、世間の共感は得られず、むしろ批判の的になる事態に発展。
その理由は、「あなたも人のことは言えないだろう」というもの。
紅白歌合戦で自身のグループ卒業を発表し、
紅白出場50回で引退表明していた北島三郎さんの最後の舞台の印象を薄めました。
卒業発表なら、自前の劇場ですればいいはず。
「場違い」という言葉は、大島優子自身にも当てはまってしまう言葉でした。

■批判を受けずに済む人
一方、「この人、上手いな」と思うのは、
先ほどの総選挙で三連覇を成し遂げた指原莉乃さん。
メンバーの結婚発表を批判しつつも、その前置きにはしっかり次の言葉。
「本当は、私が言える立場ではないのですが…」
過去に恋愛スキャンダルで移籍騒動を経験しているだけに、
その点の反省を表明した上での言葉を発していました。
両者の違いは、「自分が」どう思うか、ではなく、
「相手(世間)が」どう思うか、を意識する力です。
結局、人は身勝手と感じる人には共感できません。
一方、自らの非を認めたうえでの発言ならば、
過去の失敗も人間味ある言葉として共感されることもあります。

■自らを奮い立たせる源泉とは
とはいえ、世間様の気持ちが痛いほどわかってしまうと、
逆に何も言えなくなってしまうことも十分考えられます。
「どうせ私になんて、そんなことを言う資格はない…」
きっと指原さんも、そんな感情がよぎったはず。
それでもあえて発言できるのはなぜか?
それはきっと、「それでも譲れない信念(哲学)があるから」です。
彼女にとっての信念とは、一言でいえば「ファンのため」でしょう。
きっと複雑な思いを抱いているファンの視点で考えるほどに、
自分が批判されることを覚悟の上で、総選挙1位の人間の責任として、
あえて批判的なコメントを寄せたのだと思います。
信念があると、一見矛盾するような行動にも一本筋が通るので、
決して矛盾しているようには見えなくなります。

■明暗を分けるのは、「声なき声に耳を傾けられる力」
一連の出来事は、有名人だから分かりやすい形で批判が明るみに出ました。
ですが、多くの一般人はマスコミに叩かれる心配はない反面、
仮に何かミスを犯しても何も言われないケースが多いです。
言うまでもなく、誰かに面と向かって苦言を言うのは苦痛だからです。
ですが、それではミスを犯した本人は、いつまでも自分の過ちに気付けません。
「自分を棚に上げる人だな」
「厚顔無恥も甚だしい人だ」
「人に厳しく自分に甘いな」
「身勝手だ」「筋違いな人だ」・・・
などなど、自分自身を俯瞰して見られない人には、
とかく厳しい言葉が投げかけられます。(心の中で!)
だからこそ、客観的に自分を見つめ直す視点が必要です。
言い換えれば、「声なき声に耳を傾ける力」が必要なのです。

■「厚顔無恥」の烙印から脱却するには
AKBの一件に限らず、言葉に力が宿らない人は散見されます。
例えば、民進党の方々は血眼になって政権批判を繰り広げています。
ですが、言っている内容はさておき、どこか言葉が宙に浮く印象が拭えません。
旧民主党政権時代の負の印象が、まだ国民の記憶から消えていないからです。
「そうかもしれないけど、あなたが言うなよ」
「言うことは立派だけど、本当にできるの?」
と、少々手厳しい表現にはなりますが、
それが現在の支持率に反映されているのも事実です。
少なくない国民が、冷めた目で見ている現実を直視して発言しない限り、
正義の味方気取りと揶揄されることもあるでしょう。
自分の言葉に力を宿らせるには、
発言者が「他者の視点」を持ち、自身を客観的に見つめること。
そして、その言葉が「譲れない信念(哲学)」に支えられていること。
この二つの要素は必須です。
つまり、表面的なロジックだけでは、
実社会では誰も心を動かしてくれないのが現実なのです。
表面的なスキルを越えた「信頼感」も含めて、
人は敏感に感じ取りながらコミュニケーションしています。
言い換えれば、決して理屈だけで人の心はつかめません。
ディベートを扱う弊社が、真摯に人間心理にも向き合っているのは、
そんな現実があるからなのです。
以上

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以上、アビコレポートでした。

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