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2017.6.2(金)
アビコ青年のディベート事件簿
File58「なりきり続けたら、それもあなた自身」(2017年6月2日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 58
本日のテーマは、「なりきり続けたら、それもあなた自身」です。

■高橋名人、衝撃の告白
「高橋名人」
その名を聞けば、
30代以上の方なら誰もが「あの人だ」とピンと来るはず。
そうです。1980年代、シューティングゲームで一世を風靡した、
あのゲームの「名人」です。
ところが、先日放送されたとある番組で、
名人ご本人が衝撃の告白をしました。
「実はゲームが超下手なんです…」
当時、ハドソンの宣伝部員だった高橋名人は、
全国のゲーム大会を成功させたい社長の思いつきで
「今日からお前、高橋名人な」という、
なんとも強引な指令を受けてしまいました。
本当は嫌だけど、サラリーマンだから社長の指示は絶対…。
そう自分を納得させた高橋名人は、
「イベントのオープニング・2分間のデモンストレーションで、
9万人の子ども達を熱狂させるプレイを見せてやってくれ」
という社長の厳命を遂行するため、ゲーム開始後の2分間だけ猛練習しました。
結果、なんとイベントは大成功。
高橋名人は時の人になってしまいました。

■世間の意外な反応
30年間、ゲームの名人だと思っていた人が、実は見せかけだけだった。
そんな衝撃の事実に対して、世間の反応は意外と温かいものでした。
「例えゲームが下手でも、子どものころに握手してくれた名人の笑顔は忘れていません」
「デモンストレーションでも多くの子どもが『スゲェ』と思えたってことは、名人ってこと」
関連するニュースをいくら調べてみても、そんな言葉に集約されるのです。
そして、その思いは私も同じです。
当時は小学生だった私も、高橋名人に熱狂した一人でした。
東京・碑文谷のダイエーで開催されたイベントに参加した時も、
あふれかえる小学生の中にいました。
確かに高橋名人がゲームに触れたのは一瞬でした。
オープニングの2分間どころか、
5秒間ほどシューティングゲームで16連射を披露しただけで、
あとはひたすらトークショーに徹していました。
「あれ?もっと連射を見せてほしいのに…」と思った記憶が鮮明に残っています。
それでも、高橋名人を誹謗中傷する気持ちは微塵もありません。

■高橋名人と木根尚登氏の違い
なぜ、高橋名人はそこまで世間に受け入れられたのでしょうか。
理由は簡単には解明できませんが、
木根尚登氏(TMネットワーク・ギタリスト)との対比は参考になるかもしれません。
木根尚登氏も本当はギターが弾けないのに、
小室哲哉氏の「ギターでも持っておけば」の一言でギタリスト役になってしまいました。
(当時、本当に弾けたのはキーボード。ギターは初心者。
実際にバックで音を出していたのはB’zの松本孝弘氏)
木根氏はギターが弾けないから、「弾いているようにみせる」練習に徹しました。
つまり、デビュー以来、何十年もギターのトレーニングをしていなかったのです。
それにも関わらず、日本の代表的なギタリストとしてポール・マッカートニーと対談もしました。
そんな事実の数々に、何の救いも得られなかった当時の熱狂的なファンは耐えられなかったのかもしれません。
結果として、木根尚登氏は、初めてその「事実」をカミングアウトした当時、
相当なバッシングを受けたそうです。
一方の高橋名人は、名人に祭り上げられてからというもの、
必死にゲームの練習を重ねました。
本当は子ども達よりも下手なので、何倍もの時間をかけて練習しました。
だから、あの16連射はまぎれもなく本物でした。
しかも、高橋名人は子ども達の前に出る時は
努めて「ゲームを楽しくやっている自分」を意識していたそうです。
ゲームの楽しさを伝える使命感があったからです。
結果、ストレスで病気にもなってしまいました。
高橋名人に対するファンの言葉には、次のような声もありました。
「実力を積み上げた後に名人といわれるか、
名人といわれた後に実力を積み上げたかの違いがあるだけ。
高橋名人はやっぱりヒーローです」
せめて木根尚登氏も陰で必死にギターを練習していれば、
状況も少しは違ったのかもしれません。
ちなみに、木根さんも今ではギターが弾けます。
そして、私は飄々とした木根さん、大好きです。

■なりきってしまえば、それもまた私自身。あなた自身。
「今ある自分を変えたい。」
コミュニケーションセミナーに参加される方には、
そんな高い志をもっている方がたくさんいらっしゃいます。
当然、今ある自分を変えるためには、普段の自分とは異なる振る舞いが必要です。
例えば、声が小さい人は、意識して声を大きく出す。
アイコンタクトが苦手な人は、意識してアイコンタクトを取る。
返事がそっけない人は、相手が話しやすいような反応をしっかり示す。
ですが、それが苦手な人にとっては一苦労なのです。
「こんなの、私じゃない…」
「大きい声を出す自分なんて、普段の私を知る人から見たら
かえっておかしい人に見えるんじゃないだろうか…?」
ここでお手本にしたいのは、高橋名人と木根尚登氏です。
もう、できる自分に「なりきってしまう」のです。
あとは、高橋名人のように陰で必死に猛練習すればいいのです。
周りも次第に、そんなあなたこそ自然な状態に見えてくるのです。
だって、それで「名人」になったり、ポールマッカートニーと対談した人もいるのですから。
自分を変えたい。なりたい自分になるきっかけがほしい。
そんな皆様、弊社の「使えるディベートセミナー」でお会いしましょう!
心からお待ちしています!!
以上

※お知らせ 第22期『使えるディベートセミナー』(2017年 7月22日(土)スタート)の受講生募集中です。
皆さんの人生を切り開ける武器を、一緒に学んでみませんか?
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以上、アビコレポートでした。

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