BMブログ

BMブログ記事詳細

2017.1.11(水)
アビコ青年のディベート事件簿
File53「流行りに踊らされない勉強の仕方」(2017年1月11日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 53
本日のテーマは「流行りに踊らされない勉強の仕方」です。

■トラウマ?
毎年寒風が肌にしみる季節になると、大学時代の友人からメールがきます。
大まかなやり取りはこんな感じです。
友人A「今年は見た?」
私  「見たよ…。ちょうど受験シーズンだからな。Aは見た?」
友人A「毎度ながら今年も見たよ…。大学受験を控えた悪夢を…。」
私  「そうか…今年はどんな夢だった?」
友人A「俺は試験直前に、なぜか受験科目が5科目も追加されていた…。
    目が覚めた時は、寝汗でびっしょりだったよ…。」
私  「それはまたニューバージョンで来たな…。
自分は受験本番一か月前なのに、
日本史の教科書に全く手を付けていない夢だったよ…。
吐きそうになって目が覚めた…。」
友人A「そうか。そろそろ冬ということだな。」
私  「そうだな。お互いに風邪には気を付けよう。」

■センター試験導入以来、30年ぶりの入試改革
友人Aと私はお互いに浪人時代を経験しており、
当時の焦燥感がいまだにフラッシュバックするのかもしれません。
今となっては本当にいい思い出ですが、
悪夢のお土産もセットになっていて、お得感が半端じゃありません。
そんな我々が受験した大学入学試験が、
2020年に大きく様変わりしようとしています。
センター試験が廃止され、基礎知識を問う試験に加えて、
それを応用する「思考力・判断力・表現力」を問う試験に移行する予定だそうです。
背景としては、グローバル化が進む昨今、
世界で戦える人材を育てようとする国の方針があります。
巷では「21世紀型の教育」とも言われています。

■どこか聞き覚えのある言葉の響き…
「21世紀型教育」、聞こえはいいですが、なんとも漠然とした言葉です。
こういう言葉がささやかれ始めたときは、注意して本質を見極める必要があります。
そういえば、以前は「ゆとり教育」なんて言葉もありました。
21世紀型教育のキーワードになっているのが、
「アクティブ・ラーニング(能動的な学習)」という学習法です。
従来型の学習が教師の授業を聞いて理解し、記憶する受動的スタイルとすれば、
アクティブ・ラーニングは学習の主体を学生に移し、
対話や議論、発表を重視するという能動的スタイルを指します。
そんな言葉が独り歩きしているのか、一部では、
「これまでの『知識の詰込み型』学習は百害あって一利なし。
 今後はディスカッション力やディベート力を鍛えなければだめだ!」
「大学入試も、これまでの学習法では合格できなくなる!」
などという論調まであります。

■アクティブ・ラーニングに踊らされない
実際にそれで早くも成功している高校もありますが、
一部の成功例を挙げて、全体に当てはめようとするのは危険です。
結局、ディスカッションにしろディベートにしろ、
まずは基礎的な知識の習得が必須です。
それがないまま「さあ、論理的思考力でグローバル化に対応しましょう!」
などと言っても無理な話なのです。
言わば、自転車にも乗れないのに一輪車や大型バイクに乗ろうとするようなもの。
全ては思考の土台となる基礎知識の習得あっての話なのですから。
現・中学三年生は、浪人すれば2020年に新受験制度での試験を受けることになります。
そのため、意識の高い父兄の中には、今から数年後を不安視する声もあるそうです。
ですが、過度な心配はご無用です。
いきなりアクティブ・ラーニングができるような生徒はよほどの進学校に限られるでしょうし、
たとえどの学校に通う生徒だとしても、
基礎学力(知識)の習得は全生徒に共通する学習課題です。
あまり新しい言葉や情報に惑わされず、
いま目の前にある学習(基礎知識の詰め込み)を徹底すべきです。
実際には、それさえできない受験生が大半なのですから。
いよいよ受験シーズン到来。
本コラムをご覧の方の中には、
受験生のお子さんがいらっしゃるかもしれません。
毎年試験会場に向かうと思しき学生を見ると、
心の中で応援せずにはいられません。
今は大人の勝手な理想論に振り回されずに、
地道に受験勉強を頑張っていただきたいです。
それに、ご縁があって将来弊社のディベートセミナーに参加されることがあれば、
アクティブ・ラーニング問題はすっきり解決できますから。
それでは、本年も本コラム、ならびにNPO法人バーニングマインドを、
何卒宜しくお願い申し上げます!

※お知らせ 第21期『使えるディベートセミナー』の受講生募集中です。
皆さんの人生を切り開ける武器を、一緒に学んでみませんか?
↓↓募集要項はコチラ↓↓
http://www.burningmind.jp/debate_seminar/

以上、アビコレポートでした。

PAGE TOP