2016.8.4(木)
アビコ青年のディベート事件簿
File48「自分を見失わないために」(2016年8月8日)
本日のテーマは「自分を見失わないために」です。
■衝撃の一枚。
Pawel Kuczynski氏のポケモン風刺画
写真を見れば一目瞭然。
ポケモンGOに熱中するあまり、いつのまにかポケモンに支配されている。
そんな姿に痛烈な皮肉を込めたこの作品は、
ポーランド人のイラストレーター、Pawel Kuczynski氏のものです。
私自身はプレイしていませんが、
ポケモンGOは運動の良いきっかけになるので、
その点ではとてもいいゲームだと思っています。
“体重が4キロ減った”“久しぶりに筋肉痛になった”
そんな声も耳にします。
要は、使う人次第で毒にも薬にもなるという話です。
■冷静さを失った先にあるもの
世間ではポケモンGOに限らず、
冷静な判断ができずに迷走している事例が溢れています。
例えば、俗にいう「トンデモ医療」。
インターネットの発達で、
確かに様々な情報を手軽に入手できるようになりました。
その反面、患者が自分で調べた情報を信じ込み、
医療のプロである医師・薬剤師・看護師の話を受け入れなくなる。
そんな事例が近年急増しています。
東京医科大学病院・薬剤部の東加奈子氏は、
患者に医療情報をネット検索する方法を指南しています。
そうしないと、患者がネット上で偶然遭遇する
根拠のない「健康食品」や「免疫療法」を妄信してしまい、
医療機関で抗がん剤の治療を拒否するケースが多発しているからです。
少し勉強すればとても信じられないような情報を鵜呑みにして、
医療従事者の話は聞く耳すら持たない。
ちょっと考えれば不思議なことですが、それが実態です。
■疑いの目を向ける。それは悪ではない。
自分の一方的なものの見方では、その裏側にあるものは見えません。
だからこそ、物事は両面、多面で見る必要があります。
先の「トンデモ医療」でいえば、
薬は「効果」がある一方で「副作用」もあります。
大切なのは両者を理解し、使いこなすことです。
副作用ばかり強調した情報が氾濫し、
本来得られるはずのメリットすら放棄することではありません。
では、膨大な情報の中から、
正しい情報と誤った情報を区別するにはどうすればいいのでしょうか。
これこそ、まさにディベートが有用なのです。
ディベートでいえば、どんなテーマでも肯定・否定の両面を調べます。
「薬(抗がん剤)は効かない!」というテーマがあれば、
肯定側(効かない派)と否定派(効く派)の両方を勉強します。
この時点で、少なくとも一方的な思い込みで妄信することはなくなります。
■多様な視点、情報の真偽を見抜くには?
先日、大変悲しい事件がありました。相模原の障碍者殺人事件です。
様々な報道が流れていますが、あの事件の容疑者こそ、
一方的な思い込みで行動した最悪の事例です。
つまり、障碍者を人として認めず、モノとして認識。
自分の考えを絶対的なものと思い込み、19人もの命を殺傷しました。
一面的なものの見方は、実に危険極まりないのです。
彼には相手を思いやる心、想像力が極度に欠落しています。
ここまで極端な事例は稀かもしれません(そうであってほしいです)。
ですが、“ものごとを色々な視点で見る”ことをせずに、
極端な行動に走る事例は後を絶ちません。
こんな時代だからこそ、ディベート思考。
相手を“論破する”“敵を倒す”ためではなく、
“相手を知り”“お互いを理解しあう”ために有効な手段です。
なぜなら、自分と正反対の立場も積極的に知る習慣が身につくからです。
以上
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以上、アビコレポートでした。