2015.10.30(金)
アビコ青年のディベート事件簿
File38「『魅力的な人』ってどんな人?」(2015年10月30日)
本日のテーマは「『魅力的な人』ってどんな人?」です。
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■男女を問わず「魅力的な人」
「どんな世界にも『人格者』と呼ばれる人はいるものだな」
そう感じることがあります。
私は日頃、営業の仕事に就いています。
当然、相手は「お客様」。
製品を採用するもしないも、お客様次第。
つまり、私よりも強い立場です。
お客様の示す態度はざっくり分けて2通りです。
「相手が誰であれ、丁寧に接して下さる方」
「上から目線で、時に高圧的な方」
もちろん、後者であっても全く構わないのです。
ですが、弱い立場の人間に対しても、人として丁寧に接して頂けるとき、
心から「ああ、魅力的な方だな。今回はたとえ採用されなくとも、
こんな素敵なお客様は大切にしていきたい」
そう思わずにはいられません。
■人の「器」を考える(器=理念×戦略×人間性)
魅力的な人は、「器の大きい人」とも言えます。
大辞林で「器」を引くと、
「(ある仕事・地位にふさわしい)才能と人格。器量。人物の大きさ。」とあります。
なるほど。何となくイメージは伝わります。
せっかくですから、もう少し具体的に掘り下げてみましょう。
先日、興味深いコメントを目にしました。
医師であり、医療経営コンサルタントとして活躍されている裴英洙氏(はい・えいしゅ ハイズ(株)代表取締役社長)は、医療現場で魅力的な医師の「リーダーの器」を次のように分析しています。
[器=理念×戦略×人間性]
まずは理念。
現代の医療は「チーム医療」。つまり、医師だけでなく看護師・薬剤師等の様々なメディカルスタッフと密に連携して医療行為を実践します。そこで求められるのは、チームを同じ方向に引っ張っていく「理念」。言い換えれば、熱い思い、目的、ハートです。
次に戦略。
どんなに情熱があっても、それを実行できる医療技術・方法論を伴っていなければ、ただ理想の高い人で終わってしまいます。だからこそ必要な「戦略」。
最後に人間性。
理念も戦略も明確だけど、「この人についていこう」と思わせる人柄。人としての温もりや思い遣りがなければ、思うように人はついてきません。
裴氏は、「『マネジメント=戦略』と思われがちですが、
実は理念、人間性のいずれかが欠けても経営は上手くいかない」と断言します。
■「右手にロマン、左手にそろばん、心にジョーダン」
器の定義をユニークに言い換えた事例として、
裴氏はリクルートで数々の名雑誌を生み出した
くらたまなぶ氏の言葉を引用しています。
それが上述の「右手に~」の言葉。
「ロマン」は理念。(パトス)
「そろばん」は戦略。(ロゴス)
「ジョーダン」は人間性。(エートス)
やはり人を動かせる魅力ある人とは、
3つの要素を兼ね備えた人間であると分析しています。
本コラムをご覧の皆様は、もうお気づきかと思います。
これは「コミュニケーションの三要素(ロゴス・パトス・エートス)」そのものです。
2300年前の大哲学者・アリストテレスが提唱した
「コミュニケーションの三要素」は、
時代を超えてなお生き続ける普遍の真理と改めて感じます。
■真に「説得力ある人間」とは?
「組織を動かすには、『何を言うか』よりも『誰が言うか』が大切なことが多い。
あの人に言われたならやるしかないな、と思わせたら勝ちだ。
そう思わせるのがまさに『器』だろう。」
裴氏の言葉は、
ネオ・ディベートが提唱する「使える」ディベートの姿と重なります。
論理的に話せればいいわけじゃない。
情熱や人間性も含めて鍛えていく。
そんな人間の言葉こそが、人の心を動かしていく。
説得力、影響力のある人間になれる。
コラムを通じてその思いを共有頂ければ、
こんなに嬉しいことはありません。
本日もありがとうございました。
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