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2014.10.31.(金)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿
File25「顧客目線で時代をひらく」(2014年10月31日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 25



本日のテーマは「顧客目線で時代をひらく」です。

便利な世の中になったものです。
来年の秋をめどに、セブン&アイ・ホールディングスはネット通販を強化します。グループの百貨店・専門店の商品を、指定したセブンイレブンで受け取れるサービスを開始。しかも、最速で当日中に受け取れるというから驚きです。

消費税増税後、コンビニ各社が売上高で前年割れを続ける中、セブンイレブン・ジャパンは25ヶ月連続プラス(今年8月現在)。その強さの秘密を、会長兼CEOの鈴木敏文氏はインタビューで明かしています。

「お客が何を望んでいるのか、とにかく考えることです」

一言で言えば、「徹底した顧客目線」。

セブンイレブン発祥の本家・アメリカでは、90年代に入って経営破綻。その原因は、スーパーの安売りに追随してしまったことでした。その結果、会社の都合で本部が大量に安く商品を買い込み、お客のニーズを無視して各店舗にモノを押し込む。当然商品は売れ残り、破綻に追い込まれてしまいました。

そこで、再建を託された鈴木氏が徹底したのが「顧客の立場で考える」ことでした。

「発注こそ店の特権」を合い言葉に、現場の従業員みずから売れ筋商品を発注できるようにした「単品管理」は、権限を与えられた現地従業員のモチベーションを上げる効果も合わさって、三年で黒字に転換。単品管理は、そもまま「タンピンカンリ」と呼ばれて現地に定着しました。

しかも、特筆すべきは、好調な売上げを維持できたことです。鈴木氏は著書「売る力」(文春新書)で、「真の競争相手は同業他社ではなく、絶え間なく変化する顧客のニーズである」と言っています。「常に変わらない」徹底した顧客目線で、「絶え間なく変化する」顧客のニーズを察知して対応する。だからこそ、ファミリーマートやローソンには行かず、一人のお客としてセブンイレブンに入るほうが得るものも多いのだそうです。他社のマネをするより、顧客の気持ちを察するほうが重要だからです

話し方に自信がつく100の法則」(太田龍樹著 中経出版)では、法則7「登場人物の損得が分かれば、打つ手が見える」と紹介しています。人はどうしても「自分目線」で物事を考えがちです。そこをあえて「他者の目線」になって考えてみます。すると、それまで気づかなかった相手の気持ちに気づき、自然と行動から発言まで変わります。思い遣りのある接し方ができるので、人間関係も良くなること請け合いです。

とはいえ、ネット通販ならAmazonを始め、すでに同業他社がひしめき合っています。そこにあえて乗り込むのは、やはり顧客目線の結果でした。

今後、高齢化が進めば、お客は今以上に近くで買い物を済ませたい欲求が高まります。そこが重要なポイント。自宅への配送も可能にして、スタッフが顧客と直接コミュニケーションを取る。他に必要なものや困っていることを伺い、その場で注文を受け付ける。遠くに買い物に行けないお年寄りにとって、これは大きな魅力です。
顔の見える関係は、既存のネット通販にはない強み。顧客の立場に徹底してこだわるからこそ、いつの時代にも成長を続けられる理由が見えてきます。

小手先ではない、本物のコミュニケーション力を鍛える「使えるディベート・セミナー」。徹底して「他者の目線」に立つ訓練を、ネオ・ディベートの手法で身に付けていきます。数多くのワークで、これまで気づかなかった視点を実体験頂きます。少数精鋭でお届けする第14期セミナーは、来年開講予定です。詳細は弊社HPをぜひご参照下さい

以上、アビコレポートでした。

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