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2013.12.19.(木)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿
File10「間の威力」(2013年12月19日)

ほぼ月イチコラム なるほど、人前であがってしまっても、対処法があるんだ!
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file10

本日のテーマは、「間の威力」。

「悪循環」。
こんな言葉が脳裏をかすめる瞬間があります。
例えば、人前で話しているときに、緊張のあまり自分でも何を言っているのか分からなくなってしまう状態。

例えば、私自身の経験。
私は営業の仕事をしていますので、お客様の前で製品紹介のプレゼンデーションをする機会があります。ですから、新人の頃はまずプレゼンテーションを社内で徹底してトレーニングします。

先輩方はいとも簡単そうにお手本のプレゼンを展開されます。でも…聴いているのとやってみるのは大違い。まずは、社内の先輩の厳しい目が、入社したての自分の身に降り注がれます。それだけでも緊張するのに、言葉の言い回しにつっかえる度に、「(あっ、まずい…)」と動揺のスイッチがオン。あとは自滅の一途をたどり、プレゼンを終えた頃にはだめ出しの嵐。こんなことの繰り返しでした。

緊張すると、自然と「えー」や「あのー」という言葉が口をついて出てしまうものです。少しでも「間」が出来てしまうのを恐れて、沈黙を言葉で埋めようとしてしまいます。聴き手は冷静に聞いていますから、こちらが緊張していることなど直感で察知されてしまいます。

では、どうすればいいか?
効果的な方法の一つに、緊張したときは「間を恐れず」、逆手にとって「間を活かす」ことがあります。

「話し方にもっと自信がつく100の法則」太田龍樹著 中経出版)には、法則40として「話には『メロディー』と『リズム』はある」ことを紹介しています。

メロディーとは旋律や節のことで、一連の音の「流れ」です。そして、この「流れ」の中で、意図的に「間」として使う沈黙は、良い沈黙と紹介されています。

具体的な良い「間」には、次の3つがあります。

① 聴き手の注目を一身に集めることができる
② 「間」の静寂のおかげで、うるさかった会場がいきなりシーンとなる
③ 場面転換に使える

間を使うときは、必ず聴き手を見ることです。相手を見ないで上や下ばかり向いてしまうと、聴き手に「言いたいことが飛んでしまったのかな?」と不安にさせてしまいます。

本当は頭の中が混乱していても、間を有効に活用することで自信がある人に見えてくるから不思議です。

ちなみに、「間」は何も緊張している人だけの技術ではありません。

一見流暢に話している人が陥りやすい「罠」があります。それは、あまりに「立て板に水」で話してしまうと、かえって「聴き手の記憶に残らない」という皮肉な状況が生まれます。
実際に私の先輩にも、そのジレンマを抱えている方がいらっしゃいました。一言も言い間違えることなく、話の内容も筋が通っています。それでも、プレゼンが終わった後、他の社員から出る言葉は「でも、結局何が言いたかったのかが残らない…何でだ??」という現象が起きていました。

その当時は、伝わらない理由が分かりませんでした。ただ、今思えばその先輩も「間」を意識されていなかったことが原因だと分かります。大切な部分では、あえて「間」を作って注目を引いたり、強調すべき所は声の強弱を付ける。ちなみに、この強弱が「リズム」に当たります。

論理的な思考がいくらできても、相手に伝わらなくては意味がありません。だからこそ、ディベートで論理的思考力を鍛えつつ、同時進行で「伝え方」も学んで行く必要があるのです。「パトス」を大切にする意義が、ここにあります。

論理的思考力と、伝え方の両方を同時に鍛えるネオ・ディベート。来年1月から始まる「第10期 使えるディベートセミナー」では、その基本から充実した内容でお届け致します。残りの定員もわずかではありますが、ぜひ奮ってご参加頂ければ幸いです。

以上、水戸からアビコレポートでした。

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