2013.11.7.(木)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿
File8「主張するなら、理由をつける」(2013年11月7日)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file8
本日も、コミュニケーションにも「型」があることをご紹介していきます。
効果絶大、「主張するなら、理由をつける」です。
先日、日本食のお店に行ったときのこと。
海鮮丼が美味しいお店なので、その日も早速注文しました。対応してくれたのは、お店のアルバイトの若い女性店員さん。
楽しみに待っていると、先ほどの店員さんが戻ってきました。
◆店員さん「海鮮丼なんですが、今日はないんです。」
○アビコ 「そうですか……分かりました。いいですよ。」
ないものはないのですから、仕方がありません。再びお品書きを見直します。
すると、ほどなくして調理場からお店のご主人が出てきて話しかけてくださいました。
◆ご主人「ご注文のお料理がお出しできずに申し訳ありません。今日はこの台風で海が大時化(おおしけ)になってしまって、食材が手に入らなかったんです。せっかく来て頂いたのに、申し訳ありません。」
忙しい中にも関わらず、わざわざ手を休めてご主人自ら出てきて頂いたことに、むしろ感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして、先ほどの店員さんの対応との違いに、ご主人の対応から大切なことを学びました。
それが、「主張するなら、理由をつける」です。
アルバイト店員さんとご主人。お二人とも言いたいことは同じです。
「今日はご注文の品は出せません。」
ただし、聴き手側の印象は、両者でまったく異なります。
アルバイト店員さんは、「ないんです」という「主張だけ」伝えています。もちろん全く悪気はないのですが、これだけではどこか相手にぶっきらぼうな印象を与えてしまいます。誰だって内心、「(メニューに書いてあるのに、どうしてないんだろう…?)」と思うものです。
一方、ご主人の対応はさすがです。どうして今日は注文に応えられないのか、「その理由」を明確に伝えています。「と申しますのも、大時化で食材が手に入らなかったからです」。
つまり、何かを主張するときは、その理由をつけると説得力が何倍にもUPするということです。
実はこの型、ディベートの基本ルールの一つでもあります。ディベートは論理的に話をしなければいけませんから、「主張の言いっぱなし」は認められません。きちんと、その主張の理由を明示する必要があります。
「すごい説得力?論理的に考え、わかりやすく伝える話し方?」(太田龍樹著 三笠書房)では、この一連のプロセスを「PR法」として紹介しています。
P(Point) =主張「私は?と主張します」
R(Reason)=理由「なぜなら?だからです」
つまり、主張と理由を必ずワンセットにするのがコツです。きちんと理由を添えられる人の言葉には、誰でも耳を傾けないわけにはいきません。
そして、このPR法をさらに発展させた型が「PREP法」です。
P(Point) =主張「私は?と主張します」
R(Reason) =理由「なぜなら?だからです」
E(Example)=具体例「例えば?という具体例があります」
P(Point) =最後に主張でまとめる「ですから、私は?と主張します」
つまり、PR法に具体例(Example)を加えてイメージを鮮明にさせる。さらに、だめ押しで主張(Point)を使ってまとめ直す。簡潔かつ、非常に説得力のある型がPREP法です。
P「本日、海鮮丼はございません」
R「と申しますのは、台風の影響で食材が手に入らなかったからです」
E「実際に、今年は台風の影響で3回も同じことがありました」
P「そういった事情で、本日は海鮮丼がお出しできないのです」
ベースは上述の通りです。ここを軸にして丁寧な言葉で言い換えれば、ご主人のようなスマートな対応へと応用することができます。
P ここまで書いてみて、私(アビコ)は少し不安になりました。
R なぜなら、「こいつは食べ物の恨みがあるんじゃないか?」と誤解されてないか心配になったからです。
E 実際に、私は今日のコラムで“海鮮丼”という言葉を7回も使っています。
P だから私は、ちょっと不安になってしまったのです。。。
こんな感じです(笑)
念のため申し上げておきますと、決して私は海鮮丼が食べられなかったことに、深い恨みを感じている訳ではございません(苦笑)。
それではディベート以前に、私は人として問題がありますからね。。。でも、美味しいですよね。海鮮丼♪
それでは、また次回もよろしくお願いします!季節の変わり目、体調には皆様くれぐれもお気をつけください!
以上、イバラキからアビコレポートでした。