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2018.2.12(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第247回 「泰明小学校アルマーニ制服問題」(2018年2月12日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわ の ディベートちょっといい話  第247回

こんばんわ

寒さも少しずつ和らいでくるのかしら。
寒いと、着るものもみためより機能重視になって
「これ温かそうね!」ってコートやセーターを見て
「でも安いのよ」なんて会話をしたり
なにけなくブランドものの話をしたりする。
服にはデザインだけでなく、身体を守ったり活動しやすかったり
そんな側面があるからね。

そんな中で、
東京・銀座の中央区立泰明(たいめい)小学校が
イタリアの高級ブランド「アルマーニ」がデザインした
約8万円の新制服を導入すると決めたそう。
和田利次校長が独断で決めたとされており
批判が相次いでいるという報道が多いわね。

そもそも、公立の小学校に制服が必要なの?
「標準服」という、あくまで学校側が推奨する服装であって
着用を強制するものではないのだけど、
ほとんどの児童が指定の標準服を着ており、事実上の学校制服となっていた。
次の新1年生から変更になるそう。
これを、保護者が知らないところで
入学を決めてからこの事実を知ることになる。

何で「アルマーニ」なのか?という議論は置いておいたとしても
なぜ小学生に高いブランド服を着せる必要があるのか?
ビートたけしさんがテレビ番組で
怒りをあらわにしながら
「人は姿、形じゃない、ってさんざん教育してるのに。
見た目で判断するな、とかさんざん言われなかった?
誰でも買えるような値段でいい服作るのが当たり前の話でさ」と語っている。

では、なぜ校長はこのような判断に至ったのか、
その理由と背景にも振り子をふって見ないといけないわね。

そもそも、この小学校は公立小学校のなかでも
「特認校」といって、学区域をこえて
抽選はあるものの自由に入学できる学校。
1878年創立の名門小学校としての歴史を誇る。
実態はどうなのかわからないけど、自由に選べることは確かね。

そこで、昨今入ってくる児童に何らかの危機感を持った校長が、
「標準服のブランドものへの変更」という策で
変革をしようとした。
つまり、マスコミの報道を新聞で読むだけだと
一般の公立学校に8万円もするブランド服を強制導入したように書かれているけど
そうではないこともわかる。
ただ、この「プラン」が妥当かどうかはまた別問題よね。

いまでも小学生は98%が公立に通っていて、
制服が無いほうが多いのだけど、
制服を導入すると2~3万円はかかるそう。
文部科学省の調査(2014年)でも、公立小学校の教育費は年間32万円かかるけど
これは私服の小学生も多いことから制服代としては3,200円しか含まれてない。

これに8万円の標準服を導入する論拠として
同校の和田利次校長は昨年11月に配布した文書の中で、
「身近なアイテムをきちんと装うことの大切さを感じることも、国際感覚の醸成につながる」
「視覚から受ける刺激による『ビジュアルアイデンティティー』の育成は、服育の重要な教育の一環」
と述べている。
まずは、この価値を判断するのは、
児童本人ではなく親のほうじゃないかしらね。
来年からは、この価値に賛同し、
それだけの経済力のある家の子供達が入学してくることになる。
校長はどんなに批判を浴びようとも、この理念は曲げなかった。

ここまでみてきて思うのは
教育という、将来のある子供達に本当に伝えなければならないことを
真剣に考えるべきであって
制服で人間を判断すべきでないことはたしか。
だから、子供達(児童)がまだ幼い段階で、
その本当の自分ではない部分(ブランド)に目をむけて
きちんとした自分を磨き成長していくという部分を
忘れてしまうのではないかと心配になる。

校長も教育を真剣に考えながらも
銀座に長く流れてきた伝統を守り、
よい児童を集めたいという葛藤もあったのでしょう。
黒い噂があればすぐにたたかれる。
そこは今後を見守りながら・・・
一面的には教育の差別化ということは
ある意味おこなわれてもよいという議論もある。
金持ちだけが優遇教育を受ける世の中であってはならないけど
教育は親の情熱でもあるから。

ビートりゅうき氏は
都内で記者団に囲まれながら
「おいらは制服なんて着てなかったけど、
小学生は身体も成長するし元気に走り回るんだからね。
教育は親の情熱も必要だし感謝しきれないけど、
やっぱり師と仰げる恩師との出会いが大事だよ。
それは、人間の人生を左右するし
引っ込み思案だったおいらも、出会いによって変わりここまできたからね。
大人になってもそれは変わらないし、
身なりも大事だけど、そんな人生をつかみにいくのは自分なんだってことも
教えてあげてほしいよな。」と語っている。

実際、8万円と報道されているけど
本体で本当に必要な部分は4~5万円で鞄やセーター、
靴下を合わせて8万円との報道もあるので
それなら一般の制服との差は1~2万円ということになる。
それでも高いし、事前のアナウンス無しに決めた経緯には問題もあるようだけど、
校長の和田さん、思い切った決断をしたわよね。
あたしたちは、マスコミの報道をみたら
中身をしっかりみないといけないのだけど

また教育というのを真剣に考えるきっかけになったかしら・・・・

それでは また・・・・

BY ひろ☆たかさわ

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