2017.8.16(水)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第221回 「自分で考える力の必要性」(2017年8月16日)
ひろ☆たかさわ の ディベートちょっといい話 第221回
こんばんわ
8月になると、甲子園の高校野球が始まって
「被爆国としての日本を考える」終戦記念日がやってくる。
そんな中、こんな記事を目にした
4日放送の「池上彰緊急スペシャル」で、
ジャーナリストの池上彰氏が、
陣内智則の発言に厳しいダメ出しをしたというもの。
※以下、引用します
番組では「日本を守る自衛隊」をテーマに、
自衛隊の基礎知識をはじめ、自衛隊の歴史や北朝鮮のミサイルの脅威について池上氏が解説した。
その中で「変わりゆく歴代内閣の“戦力”の意味 自衛隊と憲法9条」と題したコーナーでは、
池上氏が憲法と自衛隊について
「自衛隊は憲法9条の解釈の中で存在しているためそのままでいい」
「矛盾しているのだから憲法を変えたほうがいい」
「矛盾しているのだから自衛隊をなくしたほうがいい」という、
これまでにあった3つの考え方を解説した。
なお、現在の安倍晋三首相は新たに4つめの解釈「自衛隊をそのまま憲法に書き込む」
「憲法9条の内容はそのままにして、自衛隊を明記したらどうか」を提言している。
ここで陣内は「池上さんはどう考えているんですか?」と質問をする。
池上氏が「それはみなさんに考えていただくために、これまでの色んな材料を…」と解説の趣旨を説明したが、
陣内は池上氏の返答をさえぎり「でも、池上さんが一番正しいとぼくは思ってるんです」と語り、笑いを誘った。
さらに陣内は「たぶん全国の人も思っている」と池上氏を持ち上げる。
しかし、そんな陣内に向かって池上氏は「それが一番危険なんですよ」とピシャリ。
「自分で考えないで『池上がなんて言うんだろう』『それに従おう』っていうのが、
民主主義では一番いけないこと」と強烈なダメ出しをしたのだ。
続けて池上氏は「ひとりひとりが考えて、決めなければいけない。
私はそのための材料を提供している」と改めて、
自身が解説している趣旨を説明したうえで「私も考えはある」「それを言ってしまったら『そうだそうだ』って、
みんなが思考停止になるといけないということですよ」と諭していた。
https://www.youtube.com/watch?v=OxY0bnyyenk
このやりとりはYouTubeでも見ることができるのだけど
ふたつののことを示唆していると思うわ。
ひとつは、「人格と内容は切り離す」という
ディベートの原理原則について。
陣内さんは、
自分の頭で考えずに、何でも池上さんが正しいという発想を
しかも意見を聞く前から行っている。
これは、池上さんのおっしゃるとおり
民主主義の崩壊というより、大衆迎合、
トップのいうことがすべて正しいという危険な考え方になりかねない。
わたしたちは、
10人中9人が正しいといっていることでも、
それがなぜ正しくて、どのような論点があるのか?
反対側の立場はどうなのかを考えなくてはならない。
もうひとつは、
どんなことでもやさしくわかりやすく説明しさえすれば
また、堂々威勢良く発言すれば
正しく聞こえてしまうという危険性。
ここは、池上さん自身も番組でおっしゃっているように
自分は材料を出すだけで
あとは皆さんが考えること。
自分にも考えはあるけど中立を守っている。
ただし、あれだけわかりやすくいろいろなことを解説してくれると
一般大衆はそれがみんな正しいと思い込む可能性があること。
だから、
まずは自分を信じてもらえる
経験値や見た目も含めた信頼感、わかりやすさに加えて
偏り無く分析して伝えることが必要なのね。
そして
聞く方も、そのひとの人柄や人格だけでなく
自分で考えながら、
他者視点で分析されているか、理由は客観的に正統性があるのかを
しっかり見るチカラを養わなければならないわね。
それでは また・・・
BY ひろ☆たかさわ
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