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2017.8.14(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第220回 「台風がくる可能性をどう考えるか」(2017年8月14日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわ の ディベートちょっといい話  第220回
(編集部注…このコラムは、8月7日に書いたものです。)

こんばんわ
台風の季節がきたわね
西南からやってきて、明日の朝には九州・四国を直撃し
週末には関東に上陸も・・・・
なんて天気予報だったり
大きいときにはニュースでもトップで扱う。
それだけ自然災害の猛威はすごいし、
人間の行動を左右する。
子供たちは夏休みだし、
暑い夏は海へいきたい!って思うけど、
この時期(8月)は、台風が多いから
旅行の計画は慎重にしないとね・・・
たしかに8月が、統計上一番台風が多い。
気象庁の統計によると過去30年平均で
8月1ヶ月に台風が発生した回数は5.9回。
実際に上陸したのは0.9回だから、上陸しなかった年もあるのだけど
月別でいうと2位の9月(発生4.8回、上陸0.8回)
3位の7月(発生3.6回、上陸0.5回)を抑えて堂々の1位。
この統計データを用いて
「今年も8月は台風が来る(上陸する)確率が一番高い」といってよいのかしら?
気象庁という国の機関が、
30年もの長い期間のデータをとってるのだから
信頼できる。
だから「8月が台風が上陸する可能性が一年中で最も高い」というのは
おそらく否定できない。
これは、過去のデータから推測する「類推」というもので、
今までのデータがそうだから、今年もそう予測できるというもの。
では、
「今年も、8月に台風がくる」
「今年の旅行は8月を避けるべきだ」
ということに対してはどうでしょう。
台風がくる可能性は類推でいえるけど、
実際の天気図や気圧の関係を調べて、今年の固有の要因がないかを調べるほうが
単なる過去からの因果関係よりも強いものになる。
あるいは、「兆候」といって、
台風がくる前触れを示すモノがあるかないか。
まったくないのであれば、こない可能性が高いともいえる。
次に、「旅行は8月を避けるべきということ」に関しては
「台風がくるから旅行にいかない」という
台風だけの原因で決めて良いかどうかということになる。
休暇の日程(スケジュール調整)もあるし、
8月でしか楽しめない行楽や、食文化もある。
これは、「因果関係」のロジックのなかで、
台風という原因で、旅行に日程を決めるというのは
ひとつの要因ではあるけどすべてではないといえる。
そうなると、
台風がくる可能性をどう考えるか?
このデータだと
30年間の平均は8月ひと月で0.9回だから、
ほぼ1回は9割の高い確率で上陸しているともよみとれる。
ただし、8月の31日間のなかで1回だけなら、
8月すべてを指して確率が高いといってよいのか?
これが、2回・3回ならまだしも1回だとねえ・・・
12月~4月は過去30年間で、本土への台風上陸は1回もなかったそう。
では、その季節に旅行にいったほうがよいかというと
また「豪雪の危険」であったり、日本の年度末だったりいろいろな要因がある。
過去のデータ(時間軸)や、他国のデータ(平面軸)から
推測することは理にかなっている。
でも、それを
身近なもので考えるほうがより結びつきの強い因果関係となる。
たとえば、「今年の場合はどうか?」「日本の東京ではどうか?」
そのデータの信頼性や、数字の大きさの意味合いを具体的に考えながら、
他にも原因があるんじゃないかしらという
そんな眼で考えることも、議論を深めていくわね。
(写真は、気象予報士の井田寛子さん)
それでは また・・・
BY ひろ☆たかさわ

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