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2017.6.20(火)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第213回 「菅官房長官に反論できない記者」(2017年6月20日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわ の ディベートちょっといい話  第213回

こんばんわ
東京都は五輪問題や都議選で揺れているわね。
中央政府・自民党は、
加計学園問題や共謀罪の成立でどんどん突っ走ろうとするけど
それを止められない野党は
批判するだけで、有効な反論ができてないように映る。
そんななか、
内閣のスポークスマンである菅義偉官房長官の記事を眼にした。
菅といっても「かん」さんじゃないわよ。
「すが」官房長官。一部業界では「安定のガースー」といわれ
「可愛い」などという輩もいるそうね。
その記事は、「表情を変えない、政権の安定ぶりを象徴してきたのに、
加計学園問題では、めずらしく感情をあらわにして墓穴をほった」というもの。
原因は、前川喜平前文部科学事務次官が
反旗を翻したことにあるのだろうけど、
普段冷静なひとだけに、問題のこじれが露見されてしまう。
ディベートでは、
まず最初のスピーカーが議論をつくる。
「すべてにおいて、平等であり機会均等であるべきはずなのに
総理の意向により便宜がはかられたのではないか?
そのような資料もあるはずなので出して欲しい。」
というように投げかける。
このような議論が出た場合、
反対側の立場にたったひとは、必ず「その議論の土俵にのる」というのが
ルールになっている。
相手を受けるということね。
まったく相手の議論の土俵にのらすに、ちがうところで自分の論の展開をしていたのでは
一向にかみあわない。勝手にもうひとつの土俵をつくってしまうことになる。
同じ土俵で闘わないと議論にならないわよね。
菅氏の常套手段は、記者団の前で
「そのような指摘は当たらない」「全く問題ない」と繰り返す。
正面から向き合わず、問題のない理由も述べない。
つまり、土俵にあがらずに上がったフリをするのがうまいということみたい。
母親がちいさな子供に
「ちゃんとご飯たべなさい!なんでたべないの?」
というと
「食べたくないから、たべない!」とだだをこねる。
良く聞くと、
実はお腹すいてなかったとか、体調がわるかったとか
どうしても好き嫌いがあるとかの理由がある。
これは親子の関係だから、話せばわかる。
では、菅氏が「全く問題ない」といっても
なぜ記者団は最後まで追求しようとしないのか?
その可能性は、ふたつある。
・反論の仕方を知らない
・菅氏に反論すると、あとがこわいのでできない
記者のことはわからないけど、
人脈をつくって情報収集に体力を費やす。
並外れた体力の持ち主。
でも、相手がいったことの矛盾を捉えて反論するっていうことの
訓練をしてきてないんじゃないかって。
いや、そんなレベルの低い記者はいませんよっていうかもしれないけど
ちゃんとやってるひとみたことない。
「その答弁、理由がないですね。」
「それは、本当に国民にメリットなんですか?」
「それくらいの効果でやる意味があるんですか?」
という、基本の反論から、少し応用の反論まで
相手のロジックを確認するという行為ができているのか?
そして、仮にできていたとしても
次に行動力と瞬発力ね。
大勢のまえで、質問のチャンスを捉える。
整理して発言する。
納得できるまであきらめずに質問を続ける。
今回の前川氏のカミングアウトも
もう職を辞してからの発言。
現職にいるひとではできなかったろうし、
各新聞社も、あとでどうなるかわからないから聞かない。
あの菅氏のポーカーフェイスや口調が
実は記者を黙らせるのに有効に機能していたとしたら
まさに「無言の圧力」。
でもそれに屈している、マスコミの使命を果たせという前に
どうやって反論したらよいのかわからないんじゃない?
だから、「その指摘はあたらない」っていわれたら
「ああ、そうなのか」って納得して終わり。
帰って上司に「なんで反論しないんだ!!!」って怒られても、
上司もやり方を知らないし、教えることもできない。
第一、その場で反論しなかったら意味ないのよね。
それでは また
BY ひろ☆たかさわ

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