2013.9.30.(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話 2013年度
第20回 「半沢直樹のいない世界を想いながら…」(2013年9月30日)
鬼才・ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話 第20回
今日のお題は「半沢直樹のいない世界を想いながら…」
こんばんわ
みなさん「あまちゃん」「半沢直樹」がおわってしまって
少しさびしい・・・なんて思ってるんじゃないかしら??
2丁目では、「倍返しだ!!」っていってくるお客さんに
「バイ・返しよ☆」などと言ってまとわりつくおねえが続出!!
また続編がきっとあるから、少しガマンしましょうね・・・
なんていってたら、
まさに「金融庁検査」に絡む不祥事がでてしまったわ。
某メガバンクに業務改善命令が出た。
信販会社を通じて
暴力団関係者に2億円(230件)にも上る融資を行い、
このことを2010年12月に把握していたのに
報告せず放置していた。
ドラマ『半沢直樹』の前半に出てくる
「裁量臨店」というのは、銀行本部の融資部や監査部が
銀行の支店をまわって
融資の審査がきちんと行われているか、事務が正しく規則通りに行われているかを
チェックすること。本部が支店へ出向くことを「臨店」という。
一方、後半にでてくる「金融庁検査」は、
おかみである当局役人が外部から銀行を検査する。
上記と同様、銀行の審査姿勢が正しいか、不正がないかを見極める。
段ボールに資料をつめて隠すなんてことも、あるのかしらね・・・
内部検査と、外部からの検査は全然緊張感も意味合いも違ってくる。
(ちなみに片岡愛之助演じる黒崎おねえは、もともと金融庁の人間だが、
ドラマの前半では国税庁に出向して、国税庁の調査官としてでてくる。)
今回の問題は
「放置・隠ぺい」と「派閥争い」と言われている。
銀行は、2008年から反社会的勢力との決別を
全国銀行協会として取り組み、
すでに融資取引のあるお客様には追加の覚書を書かせるほどの徹底ぶり。
ただ、時代の要請だけに、お客さまも理解してサインしてくれるそうね。
そして、いまでは金融取引にかかわらずであるが、
口座を作成するときには、必ず「反社会的勢力の排除」に関する説明をして
署名をしてもらい、銀行もそのひとがそのようなかかわりが無いかを入り口で端末チェックするので
信販会社の責任にすることはできないはず。
銀行の融資は、
「使い道が決まってるかどうか、それが妥当なものか。」
「返済をする能力がきちんとあるか。」を、しっかりみるのが鉄則。
だから、暴力団とわかっているひとに金を貸すのは上記ふたつに完全に反しているから
言語道断ということになる。預金してもらったお金を貸すのだからそれは当然のことだし、
金融庁もそれを厳しくチェックする。
この問題が判明し、
今日にいたるまで約2年間、担当役員が頭取に報告せず握りつぶした。
つまり、この銀行にはそれを暴き断罪する「半沢直樹」がいなかったわけね。
ここに、人間行動学の本質がある。
「善と悪を判断できるかどうか」も大事だが、
悪とわかったときに、
「自分の将来、お客様、上司や部下、同僚、そして家族」
すべてに及ぶ影響を瞬時に判断し、
そしてそれを頭取(社長)に報告する、すぐに金融庁(管轄している当局)へ報告するという
行動をとれるかどうか。
太田龍樹の著書『話し方にもっと自信がつく100の法則』(中経出版)
法則12 複数の「立場」から考えれば解決策が見える とある。
ディベートでいう「キャストライトアップ」
(登場人物をあぶり出し、それぞれのメリット・デメリットを検証していく手法)
をする。そして、最終ジャッジをする。ここまではできるかもしれない。
でも、実際にその先の一歩を踏み出すかどうかは、
そのひとの単なる仕事の能力だけでなく、哲学や正義感という説明のつかない能力(資質)と、
「経験に裏打ちされた行動力」ということになる。
これは、机上の勉強だけでは身につかない。
瞬時に判断というけど、
そんなに簡単に判断できるわけないでしょう。
でも、ことの重大性を考えればおのずと答えは見えてくる。
自分だけでない、会社全体、
そして社会全体に影響する大問題なのだから。
それを邪魔したのは、
合併前の旧行意識だというが、そんな言い訳は通用しない。
銀行業界に詳しい半沢リュウキ氏は、
「必死に汗をかいて家族を養っているサラリーマンや、中小企業の経営者がいるなかで
法の抜け穴を利用したり、金融機関と共謀して不正をするなんてことは、
俺は絶対に許さない。覚悟しておけ!!」
と、切り捨てる。
この問題は、この会社にとどまらない。
JR北海道の問題放置も明るみにでたばかり。
その他のメガバンク、
他の業種でも合併統合でできた巨大会社には同じ問題が残るはず。
真面目に勤勉に労働している人たちを、
どうか、裏切らないでほしい。
それがわかったときには、報告するという当たり前の行動を
きちんととってほしいわ。
被災地東北に夢と希望を与える
プロ野球・楽天のリーグ初優勝を祝いながら・・・・
それでは また
BY ひろ☆たかさわ