論題
BMディベートマニア選手権試合:FINAL MATCH:
「論題:日本はカジノを認めるべし。是か非か?」
2007年11月
肯定側:無敵艦隊(太田龍樹・高澤拓志)
否定側:スパゲティ・ウエスタン(中村貴裕・奥山真)
【試合結果】:否定側勝利
【肯定側立論】
哲学(スタンス)を明確に打ち出し、プランをきっちりと述べた上で、3点のメリットが生じ、また如何にそれらのメリットが現状の問題をクリアできるかのインパクトまでを盛り込んだ丁寧な立論。
【否定側尋問】
間断なく尋問を行う姿勢は非常に良かった。一方でスピードが速いため、何の目的で確認している内容なのかが分かりにくいのが残念であった。
【否定側立論】
カジノが持つ影の部分を哲学に置くことで、肯定側の哲学と真っ向から対峙した。また、ラベリング・ナンバリングを丁寧に使うことで、分かりやすい内容であった。
【肯定側尋問】
否定側が主張する内容について、その論拠を丁寧につくことで、不明瞭な部分が残っていることを浮き出した尋問であった。
【否定側第一反駁~肯定側最終弁論】
3つのポイントに絞られた後半戦であったが、以下の理由により肯定側が全てにおいて上回っていたと判断したため、肯定側の勝利とした。
(1)射幸心を満たす+現状ギャンブル依存症患者の救済 vs ギャンブル依存症患者の更なる増加
射幸心を満たすメリットがあるという肯定側に対して、射幸心が煽られすぎてギャンブル依存症が増加するというデメリットを打ち出した否定側であったが、ギャンブル依存症が大きな問題であるならば、既に存在する100-200万人のギャンブル依存症患者も無視は出来ないはず。ところがその具体的な対策がない否定側に対して、肯定側はプラン導入により表面化し救済の道筋を作ることができるとしたため、プラン導入によるメリットの方が大きいと判断した。
(2)犯罪の増加
補強材料において、否定側は中村自身のラスベガスでの個人経験を用いたが、一方で奥山からはラスベガスはその立地条件からデータとして使えないという矛盾した主張があった。従ってここでは肯定側が用いた、ラスベガスで犯罪が減少している客観的データを採用したため、犯罪の増加によるデメリットは小さいと判断した。
(3)観光立国
観光立国の観点では、一人でも多くの外国人観光客を呼び込むことが重要。ビジット・ジャパン・キャンペーンの目標を達成するというのは別の問題。プラン導入により一人でも多くの観光客を呼び込めるとし、またマカオの事例を用いてその実現性に期待を持たせた、肯定側のメリットが残ると判断した。