講評

講評

論題

BM -夏の陣2005- エキサイティングバトル東西対抗戦 第1試合
「論題:日本に、クールビズは定着するかしないか」

講評:中村雅芳

肯定側:中村貴裕
否定側:中西夏雄
【試合結果】:否定側勝利
ジャッジ総数 10名
肯定側 4票(50.73P) 否定側 6票(53.46P)

■<概   略>
政府の施策で地球への貢献も大きいとする肯定側と、スーツ神話の日本では一過性で終わると主張する否定側。
勝負のポイントはそれぞれのインパクトをどれだけ伝えられたかであった。

■<肯定側立論>
◇定義:クールビズとは
 ┣①政府が率先し個人への協力を呼びかけている施策である
 ┗②気温28℃のもとでノーネクタイスタイルとする

◇観点
 ┣①日本の文化や環境に合っている
  ・古来の日本の洋服文化でも襟元を開けている
  ・ネクタイは欧米の環境に適しており、日本の環境には合わない
   evi)三菱総研より
 ┣②政府が率先して行っている
  ・首相をはじめ経済界のトップが率先して行っている
  ・日本の文化の特徴として、上司の真似をしがちである。
   トップが率先して行っていれば部下にも波及が早い。
 ┗③企業の目的に合致している
  ・企業の利益追求の考え方にあっている
   evi)Allaboutアンケートによると20%の企業でCSが向上
   業務効率がよくなったという声も多数あり
  ・経費削減は企業の大きな目的の1つである。
   クールビズは経費削減に寄与する

観点として挙げた3点は的確であろう。
ただしそれぞれのインパクトが弱く、日本全体でどれだけの効果があるのか見えにくい立論であった。

■<否定側尋問>
定着の定義を問う。政府が行っているとなぜ定着するのか、という質問で肯定側をやや混乱に落としいれていく。効果的な尋問であった。

■<否定側立論>
◇定義:クールビズとは
 ┗①スーツ神話を知らない人だけで流行る一過性の施策である
   日本は今スーツに対し違和感を持っていない。
   なおかつ肯定側は定着する理由を言えていない。

◇観点
 定着する理由があるか
 ┣①商慣習
  ・スーツとは信頼のシンボルである。
   evi)石津健介 Vゾーンが崩れると人への印象も崩れる
 ┣②日本人気質 
  ・日本人は付和雷同の人種であり定着するにはハードルが高い
   クールビズ名づけ親の田中氏も採用していない
 ┗③体型を隠せない
  ・肥満の人が体型を隠すのにスーツやネクタイは有効である  
 
こちらは日本の文化や慣習を中心に出してきた。スーツの良さがこれだけあるのに、それを無くす必要性がないことを分かりやすく伝えた。

■<肯定側尋問>
クールビズに賛成している人のデータを挙げ追求する。6割が実践していること、業務上に問題ないと応えている人が9割いることを認めさせたのは大きい。切れのある尋問であった。

■<第一反駁~最終弁論>
否定側の出した、結婚式などキメるときにスーツは欠かせないこと、騒がれているようで、企業のうち8割は賛成していながら実践しているのは3割しかいない、といったeviは有効であった。
なぜスーツをやめる必要があるのか、部下の従う理由は、など肯定側の発生過程の甘さも追及し優位に持ち込んでいく。一方、肯定側は日本の気候にスーツが合わないことや、トップが積極的に変えていることをさらにeviを用いて反論するまではよかったが、それが定着することを証明しきれない。一過性で終わるという否定の論拠に対抗する強力な論拠がほしかった。

■<判定と総括>
定着することを明示すべき肯定側が、最後までその論拠を証明しきれなかったことが勝敗を分けたといえるだろう。
6割が実践し9割が賛成している状況だけ聞けば肯定が有利に聞こえるが、それが定着するまでにはならないと主張する否定側は見事であった。
発生過程論拠と重要性におけるインパクトをより分かりやすく伝えられなかったこと、むしろそれをさせなかった否定側のブロックが効いた噛み合った面白い試合であった。

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