講評

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論題

BMサマースラム2004 -破- ディベートマニア予選第3試合
「日本政府は、治安強化のため、警察官を増員すべし」

講評:高澤拓志

肯定側:RE-離-(奥山真・中西夏雄)
否定側:木星の蛍(久保田浩・井上晋)
【試合結果】:肯定側勝利
ジャッジ総数5名
肯定側 66.88P(5票) 否定側 46.13P(0票)

急遽、合宿一日目の最終試合になった試合。 もちろん、事実上のメインイベントに変わりない。 風格さえ感じられるディベートナイトに対し、全試合で快勝した井上勢いに乗ることができるか?
しかしながら、井上は重大なるミスを犯す。否認法で現状の問題点を否定した上で、カウンタープランを出すという、室長いわく「ありえない論法」で闘ってしまった。
ここで勝敗が決まってしまったともいえる。

■<肯定側立論>

哲学  「治安の改善による秩序ある社会づくり」

「治安が改善するとは?」
①検挙率が向上すること
②犯罪の認知件数が減ること

現状分析  2004年  285万件の犯罪件数
              検挙率 20%

原因     警察官の不足
        空き交番の増加

プラン   2008年までに15000人増員
      すべて街頭配備
      県で採用 
      割れ窓理論の実践

メリット  ① 検挙率アップ
      ② 空き交番の減少
      ③ 割れ窓理論の効果

      諸外国(ニューヨーク、シンガポール)の例を使ってメリットの検証

■<否定側立論>

否認法

治安の悪化はしてない
認知件数が増えている → 認知されていないものがされてきているだけ
              → 検挙率が下がっている原因(分母が増えただけ)

デメリット  ラベル理論  再犯の可能性

プラン    民間の活用
       われわれ自身の活用(地域パトロール)

■<否定側反駁・最終弁論>

否定側は、現状の検挙率の悪化は法律の変更による認知件数の増加であり問題ない。

ラベル理論  1次的逸脱を捕らえるよりも、そこから生まれる2次的逸脱を防ぐことが重要と主張

■<肯定側反駁・最終弁論>

これに対し、強盗が20%増加しているエビデンスを示した上で
現状の問題点を指摘

さらに、2次的逸脱を防ぐために、現在の犯罪を放置することの論理矛盾を指摘。

否定側の出したカウンタープランの立証責任が果たされておらず、
否定側最終弁論で、増員の効果は「少ないもののある」と認めた点を指摘。

■<判定>

以上より、ありえない論法で闘ってしまった否定側の自滅。

肯定側は、ペーパーによるビジュアル的なパフォーマンスを駆使し、
否定側の論をひとつひとつつぶしていった。

肯定側の勝利!!

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