講評

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論題

ディベートマニア・カーニバルシリーズ 11月第1試合
「日本の小・中学校は週5日制を変更すべし」

講評:本間賢一

肯定側:POLESTAR(奥山・久保田)
否定側:HMS24(中西・中村)
【試合結果】:否定側勝利

■<肯定立論>
比較優位型の立論で始まる。
プランは5点ある。
P①完全学校週五日制から六日制への移行
  授業は公開
P②親の関与を可能に
P③総合学習の時間を廃止、基礎学習を強化
P④学習指導要領の改正
P⑤年1回の学力テストの実施

パッと見て、気づくのは、論題の枠組みを超えるプランが多い。
P②~P⑤は、すべて論題の枠組みを超えている。
この時点では、減点はないが、もし、P②~P⑤から発生しているメリットがあれば、それは採用されない。

メリットは、4点
M①学校にチェック機能が働く
M②学力のボトムアップ
M③生徒のやる気向上
M④教育の不平等の是正(私立と公立の格差の是正)

この中で、①と③に関しては、P②~⑤が発生過程となっているため、この時点で、ポイントにはしなかった。
M②は、「反復練習が学力をUPする」というエビデンスがあったのと、P①が発生過程となっているため、この時点では、論証されているとみなした。また、「国際競争力がアップする」という重要性も認めた。
M④も、この時点では、論証されているとみなした。

■<否定Q&A> 重要な質問は2点
① M②の重要性についてのやりとり
┣Q)日本の学力は高い?
┣A)高い
┣Q)では、学力低下は問題ではない?
┗A)N.A
 →ここで、M②の重要性が弱まったと判定

② M④の内因性についてのやりとり
┣Q)私立に生徒が向かったのは、5日制が原因か?その証拠はあるか?
┗A)証拠はある。後で述べる
 →後にも述べられなかった。M④の内因性に疑問がのこり、M④が起こる可能性は低いと判定

■<否定立論>
メリットへの反論には、有効なものがなかった。
デメリットは、以下の3点
①友達、家族と過ごす時間が減る(結果として、不登校が増える)
②趣味に費やす時間がへる
③コミュニティーへの参加がが減る

ジャッジとしては、2点と理解した
D①子供にやりたいこと(親・友達と過ごす、趣味)をさせるべき
D②時間のゆとりを与えることにより、学校についてこれるようにする。

D①については、五日制への移行後の子供の時間の使い方のアンケート結果がエビデンスとなっており、立証はされている。
ただし、「子供にやりたいことをさせ」ていいのか、どこから、その思想が出るか を重要性で述べてほしかった。(子供の人権宣言など)立っているが、やや小さめのデメリットと判定した。
D②については、五日制移行後の不登校の増加、および、それが五日制のせいであるということもエビデンスを通じて述べられていたので、論証されているとみなした。
不登校の増加と、その数も深刻なものと判断し、D②は重要性、および、可能性が高いと判定した。

■<反駁および最終弁論でのポイント>
大きなポイントをあげた部分はなかったと判断した。
しかし、最終弁論はどちらともポイントが高かった。

否定側
→授業についていけない子供の再復帰が難しいことで、D②の補強し、学力低下については、質疑応答から、M②の重要性が疑問であることを述べる。
一番強いメリットとデメリットを理解していることが伺えた。
最後で哲学に戻ったところもよかった。

肯定側
→M②が発生していることを強調し、D②の発生過程を攻撃する。(ただしD②の反論がニューアーギュメントなのが惜しい)
こちらも一番強いメリットとデメリットを理解していることが伺えた。

■<総括および判定>
肯定側は、論題の枠を超えるプランからのメリットが多く、立論の時間を損した結果、メリットの論証が十分でなかったが、Q&Aで、否定側がそれをうまく捕らえた。
否定側のデメリットについては、重要と思われるもの、そうでないものがあったが、一通りの論証がされていたのに対し、肯定側から有効な反論がなかった。
結果としては、やや差がつく形で否定側の勝利と判定した。HMS 24 はこの時点で、ディベートマニア決定戦進出の可能性が かなり大きくなった。

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