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2017.5.29(月)
第48回 「加計学園問題」(2017年5月29日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第48回

「ハウス・オブ・カード」という海外ドラマにはまりました。
ホワイトハウスで繰り広げられる、権力闘争のためのこれでもかという騙し合い、情報リーク合戦です。
ドラマを見ながら「この人たち酷いことするなー」と思ていましたが、我が国日本でも、もっとひどいことが起きています。まさに事実は小説より奇なりです。
加計学園問題では、天下り問題で詰め腹を切らされた次官が反旗を翻したところ、政権がその人物の人格攻撃につながる情報を大手新聞社に執筆させました。
国の許認可問題に首相の友人関係が有利に働いたことも大きな問題ですが、自分に不利な情報を流す元身内に、政権が社会的制裁を与えていることの方がより恐ろしいことです。
5月25日に週刊文集で元次官のインタビュー記事が世に出ることが分かった政府は、22日の読売新聞に「辞任の前川・前文科次官、出会い系バーに出入り」というタイトルの記事を書かせました。
あまりに露骨なこの情報制裁はなんなのでしょうか。
「これから、いろいろなことをしゃべるこの人は、風俗好きですよ。」
「この人物のいうこと、あまりあてにならないよ。」
「そもそも、政府に楯突くと、社会的に葬りますよ。変な正義心おこすなよ。」
こんな、メッセージが少しも隠されることなく発信されています。
「目的の為であれば、あらゆる手段は正当化される。」という暴走する権力が陥る思考回路が色濃く表れています。
今回の政府の行動は、前川元次官の発言の影響力を落とすことを狙ったものではないと考えています。それを本気で行っているのであれば、あまりに稚拙です。
それは、世間に向けての表向きのメッセージでしょう。
主たるメッセージは、第二第三の情報リーク予備軍(政府内部で現政権をよしと思っていないもの)に対する恫喝です。
自分と異なる意見をもつもの、自分にはむかうものは、どんな手段をつかっても徹底的に叩く。手にしている権力のすべてを利用して、たたく。
この姿勢は、首相の周りの人々を委縮させます。
「目的の為であれば、あらゆる手段は正当化される。」という思考回路をもつ政権が共謀罪を成立させようとしています。
ドラマの中の話ではありません。
皆さんはどう思いますか。

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