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2016.9.18(日)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第49斬 「ヒラリーとトランプ、日本にとってどちらがいいの?(ヒラリー編)」(2016年9月18日)

ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第49斬 「ヒラリーとトランプ、日本にとってどちらがいいの?(ヒラリー編)」

アメリカ大統領選挙が2ヶ月後の11月に迫ってきました!!
先日、アメリカ同時多発テロ(9.11)事件の追悼式典が行われましたが、
式の途中で民主党候補者のヒラリー・クリントン氏が体調不良を理由に途中退場。
「ヒラリー氏は実は重病を患っているのではないか?」
という憶測まで飛び交っています。
確かに、YouTubeでは、
演説の最中にせき込んだり、空間の一点を凝視して固まる、
といったヒラリー氏の映像が視聴できます。
全く根も葉もない憶測という訳でもなさそうです。
さて、日本の将来に大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙。
もし、ヒラリー氏が大統領になったら、日本にどのような影響があるか、
ディベート的アプローチで分析していきます。

■ヒラリー氏を巡る利害関係者
ヒラリー氏を分析する際、どんな利害関係者(=キャスト)が周囲にいるかを見ると、
政策の傾向が読みやすくなります。ヒラリー氏自身も主要キャストの一人です。
①ヒラリー氏
 基本的にはオバマ大統領の政策を引き継ぐと公約で述べています。
 ただし、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のみ、
 当初「TPP推進」から「TPP反対」に立場を転じています。
②民主党
 都市部、とりわけ労働者・黒人・移民などから大きく支持を受けている政党です。
 スタンスとしては、国際主義推進・不法移民容認・同性愛容認・宗教多様化容認など。
 オバマ・ケアに代表される福祉政策にも重きを置いています。
③ヒラリー氏支持母体
 AP通信および日経ビジネスONLINEによると、クリントン財団には国内外から、
 多額の献金が集まってきます。主な支持母体と言って良いでしょう。
 ・金融業界(ヘッジファンドなど)
 ・多国籍企業群(IT業界、医薬品業界など)
 ・中国富裕層(チャイナマネー疑惑)

■日本への影響(経済面)
民主党は国際主義を推進する、いわばグローバリズムを追求する政党です。
したがって、規制緩和を進め、国境をないものとし、障壁をなくしていく方針を貫きます。
規制緩和の代名詞とも言えるTPPについては、アメリカ世論の反対が根強く、
現在、ヒラリー氏は「TPP反対」を表明し、大統領選の争点化を避けています。
しかし、当選後は分かりません。
なぜなら、ヒラリー氏の支持母体である金融業界や医薬品業界など多国籍企業は、
アメリカ国外における市場開放を強く望んでおり、日本は最も魅力的な市場だからです。
なお、TPPの詳細については、過去コラムをご参照ください。
 <第39斬 「自由化って本当に自由?」(2015年12月4日)
 
■日本への影響(安全保障面)
尖閣諸島への挑発行動、南沙諸島における人工島建設など、
近年の中国派、アジア地域の重大な懸念材料になっています。
しかし、オバマ政権(民主党)は口先だけの介入に終始し、
中国の動きを実質的に看過しています。
産経新聞(2016年6月10日)の報道によれば、
クリントン財団へのチャイナマネー疑惑が持ち上がり、
FBI(米国連邦捜査局)が調査を進めているそうです。
記事によれば、
クリントン財団と中国富裕層の関係は1990年代から続いており、
中国からの献金を受けている以上、ヒラリー氏は中国に対して、
強行姿勢を取ることはないとみます。
つまり、中国の脅威が継続する確率が高いということです。
また、移民政策という観点でも、日本への影響が懸念されます。
国際問題アナリストである藤井厳喜氏によると、
ヒラリー氏が大統領になった場合、
「移民に寛容な民主党政権が、アメリカ国内の不法移民を受け入れる可能性が高い」
と指摘しています。
日本でも「移民の大量受け入れ」については、
安倍内閣の検討課題に既に組み込まれています。
ヒラリー氏当選により、日本でも移民受け入れが進むことが予想されます。

■まとめ
上記分析のとおり、ヒラリー氏当選により、
日本は更なるグローバリズム推進の波にのまれていくシナリオが濃厚です。
それは、経済・安全保障における悪影響につながります。
次回コラム(2016年10月中旬予定)では、
もう一人の大統領候補トランプ氏が当選した場合の、
日本への影響について分析していきます。

■正しい判断の為に
ディベートのジャッジ(判定)には様々な要素が求められますが、
私が一番大切だと思う点は、「ムードに流されない」ことです。
「空気を呼んで結論を下す」もしくは「声が大きい人の意見を採用する」
ことが常態化している企業も数多いと思います。
ですが、死活的に重要な、やり直しが効かない決定に際しては、
ムードではなく、論理的なアプローチが欠かせません。
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