2013.7.31.(水)
ディベートコーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」
第3斬 半沢直樹の人気を紐解く(2013年7月31日)
ほぼ月イチコラム ジワジワくるコラム街道をひた走る
コーチ・オクヤマの「直言居士で失礼いたします」第3斬
今日のターゲットは、TBSドラマ『半沢直樹』。
読者の皆様
『使えるディベートセミナー』運営事務局の局長を務めるオクヤマです。...
暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
暑い夏をさらに熱くするドラマ『半沢直樹』が大人気を博しています。
ビデオリサーチ社調べの視聴率データ(平均視聴率、関東地区)によれば、
初回放映19.4%、第2回放映21.8%と夏ドラマのトップに躍り出てきました。
第3回放映も22.9%とまさに右肩あがり!! これはなかなか大変なことです。
筆者も毎回放映を楽しみにしている視聴者の一人です。
それにしても、なぜここまで、『半沢直樹』が人を惹きつけるのか?
もちろん魅力あふれる個性派の役者さんが多く出演されていることもありますが、
その秘密は、『誰にとっても分かりやすいストーリー』にあると思います。
※未視聴の方には大変申し訳ありませんが、下記多少のネタバレがございます。ご注意下さい。
ドラマ『半沢直樹』はメガバンク勤務の銀行員半沢直樹(融資課長)が、
孤軍奮闘で銀行内外の敵と戦う痛快ストーリーです。
とりわけ強調されているのが、
悪役である敵がこれでもかというぐらいの悪者ぶりを見せ付けます。
どの敵も、もう見た目からワルそのもの。
悪役が行う執拗な嫌がらせも、誰が敵で誰が見方かを視聴者に分からせる為の演出です。
一方、半沢の味方になる正義側は、
人情味あふれる町工場の社長や実直な半沢の部下たちであり、
どのタイミングからドラマを見始めた人であっても、
誰が正義で誰が悪かがすぐ分かるような作りになっています。
また、このドラマは関西を舞台にしており、
「東京=権力(本店・国税)」vs「大阪=情(町工場・半沢)」
という対立構造が明白です。
つまり、言い換えると、銀行業界に明るくない人であっても、内容がすぐ理解できるように、
視聴者の立場にたって、全ての映像・演出・構成が計算されているというドラマなのです。
そして、『分かりやすい』ゆえに、あっという間にドラマに没頭し、
ぐいぐいと主人公に『共感』してしまうという仕掛けに繋がっています。
ドラマ化に際して、原作者の直木賞作家・池井戸潤氏は、
ダイヤモンド社『経 7月号』の特別寄稿で以下のように書いています。
『映像という手段を使って人間を描くこと。
それによって一般視聴者を感動させる演出を加えることについて、ぼくはシロウトである。
ドラマ制作者たちは皆、一線のクリエーターたちだ。
同じ立場の者として、彼らの仕事を尊敬し、暖かく、そして遠くから見守る。
原作を提供するとはそういうことであり、その覚悟をもつことではないか。』
ドラマ制作に一切の口出しをしなかった池井戸氏の期待に見事に応えた源泉は、
”視聴者にとっての分かりやすさ”を追求したドラマ製作側の姿勢といえるのではないでしょうか。
実際のビジネスの現場でも、”相手にとっての分かりやすさ”を追求することこそが、
”相手からの共感”や”信頼”を得る入り口と言えます。
まず相手に理解して貰わないことには、話が始まらないからです。
伝えるべき相手(お客様、お客様の上司、上司、部下、同僚、他部署の人、会社役員)は多様です。
当然、それぞれ立場が違います。
伝え方を相手ごとにチューニングしなければ、伝わらないのが当然と考えましょう。
自分の意見に関わらず、肯定・否定の論を準備するディベートでは、
おのずから「相手の立場に立つこと」が身につきます。
「伝え方のチューニング」について訓練したい方は、是非弊社のセミナーを受講してみて下さい!
基本から徹底的に鍛え上げることができます!!
以上