BMブログ

BMブログ記事詳細

2016.4.14(木)
アビコ青年のディベート事件簿
File44「ふたたび思いが通じる日まで」(2016年4月14日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 44
本日のテーマは「ふたたび思いが通じる日まで」です。

■小樽で出会ったパトスの神
パトス(情熱)といえば、今でも思い浮かべる人がいます。
小樽で出会った人力車の俥夫、通称「もんちゃん」。
以前、観光で写真のベストスポットを求めてウロウロしている私に、
すかさず声を掛けてきました。
「お兄さん!最高の撮影スポットと感動をお届けしますよ!
  これも運命!ぜひ一度乗ってみて下さい!!」
真剣な表情で訴え続ける彼の提案に、
私は乗ってみることにしました。
―― 最高でした。
小樽の街を、風のように駆け抜けました。
古びた町並みは、彼の熱い想いをこめた言葉に包まれて、
瞬く間に「レトロな風景」に生まれ変わりました。
栄枯盛衰の歴史が目の前で蘇っていきました。
何より私の心を掴んで離さなかったのは、
情熱溢れるその声!表情!その仕草!
まさにパトスのお手本でした。
掲載許可を頂いたので、写真を添付します。
迫力、少しは伝わりますよね?
パトスだけでは通用しない現実
彼はパトスの神でした。
(もちろん、分かりやすい解説=ロゴスも素晴らしかったです)
では、パトスがあれば、人は説得されるでしょうか?
当然ながら、そんなことはありません。
最近、マスコミを騒がせてしまった乙武洋匡氏。
騒動以前は、聡明な頭脳と明るい性格で、
コメンテーターも務めるほどの「説得力のある」人でした。
障がいをものともせず、懸命に生きるその姿に多くの人が引きつけられました。
ですが、今はそうはいきません。
どんなに筋道立てて発言しても(ロゴス)、
どれほど神妙な表情で謝罪の言葉を述べても(パトス)、
多くのマスコミが否定的なコメントを出します。
「神妙な顔をしていますけど、計算高いですよ」
「そもそも何でパーティを開く必要があるんですかね?」
結局、何をやっても裏目に出る状況です。
言うまでもありませんが、ロゴスやパトスを素直に受け入れてもらうためには、
日頃から積み重ねたエートス(人としての信頼)が必要です。
氏のエートスが崩れた今、
残念ながら何を言ってもしばらくは認めてもらえないでしょう。
■言葉に宿る「魂」は存在する
冒頭のもんちゃん、
彼は積み重ねてきた経験と、小樽への熱い思いを語ってくれました。
真剣に生きている人の言葉には、その人の生き方が宿っています。
だからこそ、その言葉には重みがありました。
その証拠に、今でもあの日の記憶が色鮮やかに残っています。
エートスは地道な日常の積み重ねです。
人を絶対に裏切らない、約束は守る、嘘はつかない、
筋は通す、裏表のない言動をする、等々。
そんな行為を含めて、「超一流の、自分の磨き方」(太田龍樹著 三笠書房)の帯にある言葉は、エートスを端的に表現しています。
「結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか?」
エートスを身につけるには、
毎日、愚直に何かを積み重ね続けること。
それができる人が、いずれ大きなエートスを宿し、
一流と呼ばれる存在になれるはずです。
余談ですが、
社会的制裁を受けるべき状況なのは大前提の上で、
私は乙武氏の再起に期待します。
行動力、発言力、発信力、
そのどれもが素晴らしいものがあります。
普通なら自ら多くを諦めるかもしれない、
そんな状況をものともせず、はねのけてきた乙武氏。
障がい者が活躍できる社会を作る先駆者として、
社会に復帰できる日を目指して頑張って欲しいです。
乙武氏の言葉に、再びエートスが宿る日を願いながら。
以上

※お知らせ 第18期『使えるディベートセミナー』の受講生募集中です。
2016年8月28日(日)スタートです。皆さんの人生を切り開ける武器を、一緒に学んでみませんか?
↓↓募集要項はコチラ↓↓
http://www.burningmind.jp/debate_seminar/

以上、アビコレポートでした。

PAGE TOP