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2016.1.27(水)
アビコ青年のディベート事件簿
File41「中身がないのに、なぜウケる!?」(2016年1月27日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 41
本日のテーマは「中身がないのに、なぜウケる!?」です。
■「TEDの歴史をくつがえすプレゼン」
ひとまず、このコラムの写真(1枚目)を御覧下さい。
プレゼンテーション
どんな印象を受けましたか?
「自信たっぷりに演説している人」
「成功を収めて、声高にスピーチしている人」
「とにかく、なにか意味のある話をしている人」
感じ方は人それぞれですが、
きっと「重要な話を雄弁に語っている人」に見えるはずです。
ですが、実際はその真逆だとしたら…!?
“中身が全くないのに、大喝采を受けたプレゼン”がありました。
しかも、それは世界で最も有名なトークライブの1つ「TED(※)」でのこと。
プレゼンターは、ウィル・スティーヴン氏。
驚くことに、彼のプレゼンテーマは「話すことが何もないこと」!
百聞は一見にしかず。お時間のある方は、実際の映像をご覧下さい。
(映像:日本語字幕付き)ウィル・スティーヴン氏
「話すことがないのに、凄い話をしているように見せるプレゼンスキル」
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://goo.gl/s1mRqO
ご覧頂ければ一目瞭然。
字幕を隠せば、何か素晴らしい話をしているように見えます。
ですが、革新的な話も、素晴らしい偉業も全く語っていません。
繰り返しますが、内容が全くないのです!
それなのに、このオーディエンスの盛り上がりは本物です。
■TEDに見るプレゼン術(パトス面)
映像にある通り、ウィル氏は「パトス」のスキルを駆使しています。
パトス、つまり相手の印象を大きく左右する「感情に訴える技術」です。
例えば、次の基本をこれでもかと実践しています。
全てを意図的に、絶妙なタイミングで。
・ジェスチャー(腕を振り上げる、両腕を広げる、ゆっくり歩くetc.)
・間(あえて沈黙の時間を作って、聴衆を引きつけるetc.)
・表情(笑顔、真顔、顔の向きetc.)
・姿勢(直立、前傾etc.)
・声のトーン(高い声、低い声etc.)
・テンポ(緩急つけて)
さらに、「TED~世界最高のプレゼン術」(ジェレミー・ドノバン著 新潮社)によれば、ウィル氏のプレゼンスキルを別な角度からも分析できます。
聴衆の関心を集めるには、最初の数十秒が勝負。
そこでオーディエンスを引きつけられなければ、
聴衆はどんどん話し手から離れていくと断言します。
では、どうすれば良いのか?
TEDの中でも好評だった過去のプレゼンを分析して、
効果的なスピーチの始め方を3つ紹介しています。
① パーソナル・ストーリー(あなた自身の話)
② ショッキング・ステートメント(衝撃的な事実の提示)
③ インパクト・クエスチョン(印象に残る質問を投げかける)
今回は②ショッキング・ステートメントを効果的に活用しています。
つまり、冒頭からいきなり「話すことは何もない!」という、
TEDにあるまじき衝撃的な事実を提示しています。
これには聴衆も驚きます。
だから、話の続きが聞きたくなるのです。
■中身も大事、見た目も大事
もうご承知の通りです。
プレゼンでは「内容(論理面=ロゴス)」が大切なのはもちろん、
「伝え方(感情・心理面=パトス)」も重要だということです。
この両面を鍛えるには、ディベートが非常に効果的です。
論理的な思考力の訓練になるばかりか、
相手への伝え方(デリバリー・スキル)を常に意識できるからです。
ビジネス・日常に活かせる「ネオ・ディベート」を、一緒に学んでみませんか?
以上、アビコレポートでした。
※TED…
テクノロジー、エンターテインメント、デザインの3つの分野から感動や衝撃をもたらすアイディアを紹介し、広めていくことを目的としたNPO法人。ビル・ゲイツ、アル・ゴア、ボノ、ジェームス・キャメロン、シェリル・サンドバーグ──。世界の著名人が、最上級のプレゼンを披露してきたTEDカンファレンスは、世界を変えるイベントとして注目を集めている。
※2枚目の写真…(見た目が与える印象の例)
猫たち
二人は熱唱しているように見えますが、実際には歌っていません。
こ、これは猫なので分かりますが……人なら写真だけでは判別できません。

※お知らせ 第18期『使えるディベートセミナー』の受講生募集中です。
2016年8月28日(日)スタートです。皆さんの人生を切り開ける武器を、一緒に学んでみませんか?
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以上、アビコレポートでした。

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