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2013.9.26.(木)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿
File6「型を身につける!」(2013年9月26日)

ほぼ月イチコラム 茨城LOVE
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file6

本日のテーマは、「型を身につける!」です。

昨年は、阿川佐和子さんの著書「聞く力」に続き、今、新たな書籍が注目されています。
コピーライターの佐々木圭一氏著「伝え方が9割」。
早くも30万部越えのベストセラーだそうです。

この本では、コミュニケーションが苦手な人でも話し上手になれる、
その秘訣を実に分かりやすい「型」で類型化しています。

毎日、誰でも何かしらのコミュニケーションをしているからこそ、
気づかないうちに話し方には「癖」があります。

もちろん自分では癖や習慣になかなか気づけませんから、
無意識のうちに負の習慣のループにはまってしまいます。
それでは、今の自分を変えられないのも仕方ありません。

では、どうするか?
その一つの答えが、「型を身につける」ということです。

型を意識するとは、言い換えれば「自分の癖を排除すること」。
ちょうど習字でお手本を見ながら、きれいな字を身につける過程に似ています。

しかも、著者が提唱する数々の型の根底に流れる視点が興味深い。
なぜなら、「相手の立場を意識した上での」型だからです。

コミュニケーション関係の書籍は、
ともすると「相手をいかに丸め込むか?」にスポットを当てた本が多い印象を受けます。

でも、人は自分を丸め込もうとしている相手に、果たして心を開いてくれるのか疑問です。
私ならきっと警戒心を抱きます。

もちろん、その道のプロなら可能でしょうけど、
コミュニケーションに苦手意識のある人に「マネをしろ!」と言うのも酷ではないでしょうか。
その意味で、この本は全く逆の視点から書かれています。

著者の佐々木さんは、雑誌のインタビューで答えています。

「口先だけでうまくやってやろうとするのではなく、
 相手の心の中を想像した上で伝え方を変えると、相手も自分もハッピーになれる。
 その結果、自分の思った方向に行くし、相手も納得してくれる。」

「本のコンセプトとしては、“伝える技術”というよりも
“相手を想像する技術”といったほうがより正確かもしれません。」

これはちょうど、以前ご紹介した「キャストライトアップ」の発想に通じます。
自分の言いたいことをそのまま言うのではなく、相手の立場を考えた上で「言葉を選ぶ」。
その心遣いが、相手の心を動かしてくれます。

例えば、著者は「ノー」を「イエス」に変える技術の型を紹介しています。
その本質は、「自分のお願いを実現させる答えは、自分の中にはない。相手の中にある。」というもの。

「好きな女性に『デートしてください』と言っても、女性は興味がない人とはデートなんてしたくありません。
 でも、事前に“初めてのものが好き”“イタリアンが好き”という情報を掴んでおけば、こんな言い方に変えられます。


「デートしてください」
     ↓
「驚くほど旨いパスタ、どう?」


つまり、相手のメリットと一致するお願いを作ります。他にも、


「芝生に入らないで!」
    ↓
「芝生に入ると、農薬の臭いがつきます」


これも、相手にとって嫌だな〜と感じることを理解した上での発想です。」


キャストライトアップの視点から見れば、
「デートしてください」も「芝生に入らないで」も、全部「自分目線」での言葉です。
相手は命令されているように感じるかもしれません。

一方で、「驚くほど旨いパスタ、どう?」「農薬の臭いがつきます」は、
ともに「相手」の立場に立った言葉です。

誰だって、自分を尊重してくれる人の言葉には重みを感じますし、
決して命令されているように感じません。
結果として、相手も納得してくれるケースが格段に増えます。

ディベートでも、常日頃から「型を身につけること」を徹底して学べます。
ネオ・ディベートのセミナーでも、日常会話の型のエッセンスが満載です。

「型」「型」「型」、まずは型ありき。

私もここをマスターした先に、ようやく自分の「個」を出せるのだと信じています。
書道の達人が、書の型をマスターした上で、その個性を遺憾なく発揮しているように。

気持ちを新たに、私もまずは「型」を学ぼうと思います!
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

以上、茨城からアビコがお伝えいたしました。

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