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2017.6.1(木)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第210回 「カールの販売休止」(2017年6月1日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわ の ディベートちょっといい話  第210回

こんばんわ
プロゴルファーの宮里藍さんの引退報道が流れたわね。
31歳。女子ゴルフの人気に火をつけた功労者の引き際。
こうなると必ず「はやすぎる!まだやれる!」っていう声がとぶけど
身体との相談での決断、本当にお疲れ様でした!!
そして、もうひとつのニュース。
明治製菓のロングセラー「カール」が
中部地方より東での販売を休止するというのが
ネットのニュース速報で報じられた。
完全な「引退」ではないのよね・・・
あたしとしては、これが「速報」で流れるようなニュースなのか?
って思うけど、
まずは主観を取り除かなくてはって
いつもながら考える。
1968年から49年間続いている。
入れ替わりの多い業界のなかで
ポテトチップやポッキーなどと並ぶ定番ブランドなのよね。
では、なんでいま縮小の道を選んだのか?
「カールの製造販売を中止すべし」という会社の観点でかんがえてみる。
カールの売上げは、ピーク時の90年代には190億円に達したけど、
近年は低迷し、昨年度は60億円まで落ちていた。
しかも、カールの部門は十数年間、赤字が続いていた。
売上の低迷の理由は「消費者の人気がコーン菓子よりもポテト菓子に移行したもの」との分析。
3年ほど前からブランド存続を検討し始め、
ブランド力を強めるために2016年に「大人の贅沢カール」など新規商品でテコ入れを図ったけど、
なかなか売上回復につながらなかった。
こうなると、
否定側の「カールの存続」を訴える論拠は難しい。
これは民間会社の商品で、
赤字を垂れ流してまで続けることはできない。
これは、ロングセラー商品の宿命なのでしょう。
時代が変わればトレンドも味覚もかわる。
「カールおじさん」も時代のひとになる。
せめて、「ほんとに極限まで商品開発や販促の努力したの?」とか
「ネットで売れば在庫コストがかからないのでは?」など
反論はあったと思う。
そのうえで、
カールという会社の看板商品の
歴史の重みや文化に対する議論はなされてもよい。
ここは、経済合理性だけですべてをかたづけられない
ものごとの判断基準がある。
カールというブランドを築きあげた会社の努力もあるけど
いまだに根強いファンがいる。
なんといってもオイルショック前から50年続いている。
結果的に、愛媛県の生産ラインだけがのこり
近畿より西のみでの販売となるそう。
やっぱり、カールが店頭に並んでつい手にとるっていうのが
スナック菓子なのよね。
赤字でも継続することは
大企業だからこそできるもの。
おそらく、他のお菓子や他部門で吸収できたのでしょうけど
普通なら会社の存続に影響することもあり得るし
財務上だけをみれば続けるメリットはない。
でも、この社会貢献の観点で
カールというブランドを残すことが
日本の文化の維持になっていると考えてもいいのかしらね・・・・
すべてを廃止せずに、のこしてくれた。
いまはネットの時代だから関係ないっていう声もあるけど
伝統のチーズ味プレーンカールと、「大人の贅沢カール」を超えた付加価値のある戦略で
さらなる高みを目指せないのかしらね。
言うのは簡単だけど、
長年ブランドを守り続けているすべての企業担当者や
文化芸術の功労者に敬意を表しつつ、そんな期待をしてしまわね。
それでは また
BY ひろ☆たかさわ

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