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2014.11.10.(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第78回 「自分の過去を忘れてもらう権利」(2014年11月10日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわの ディベートちょっといい話  第78回



先月でクールビズも終わり、
ネクタイをビシッと締めて通勤するサラリーマンをみるのが
なんとなくここちよいわ。
もう、あっという間に今年も終わりに近づくのね・・・

ニュースで見た話題をひとつ。

今年の5月に
EUの司法裁判所で
「忘れられる権利」が認められる判決が出たそう。
もうすこしかみくだいていうと、
「自分の過去を忘れてもらう権利」。

特に
いまはネット検索で「個人の過去の履歴」が簡単に検索できてしまうし、
ちょっとした匿名の書き込みでも
住所や名前、職業、そして家族の素性などすべてわかってしまう。

ネットが無い時代は、著名人の犯罪やスキャンダルが
新聞やテレビ報道されるくらいだったけど、
いまは、国民全員がそのリスクに晒される。

問題はそれが、名実ともに消えないこと。
人間は、良いことは実績として思い出として残して
未来へのエネルギーにできるけど、
過去は、自分の教訓として学ぶ必要はあるけど、
トラウマになるような過去の事実は、
それを忘れなければ生きていけない。
(もちろん、決して忘れてはいけない過去もあるけれど・・・・)

一方で、
ネットに載ってしまったものが消えないと
いくら忘れようとしても、他人が忘れてくれないし、
全世界の知るところとなり、
誹謗中傷や嫌がらせをうけることもあるかもしれない。
実際、その広がりのスピードは脅威であり、驚異なのよ。

これは
「プライバシーの侵害」に対して
「表現の自由」や「知る権利」との議論になる。
勝手に削除することにも議論があるし、
情報操作に関しては、
この前の朝日新聞のコラム問題にもあるように
慎重な議論が必要ね。

良いもには残し、悪いものは削除してほしい。
これは一見、自分勝手にもみえるし
悪いことはきちんと報道するもの、
モラルであると思う。

でも、人間には未来があるし
ネット上でルールもなく世界中で誹謗中傷され
その過去が一生つきまとうのも
無限大の恐怖だ。
立ち直って生きていこうという、まっすぐ純粋な人間の心を
閉ざしてしまうでしょう。

Yahooは、この削除問題に関し、有識者会議を開いて検討に入るそう。
会社の懲罰歴は2~3年で消えるって聞いたことあるけど、
憲法で保障される権利も含め
さまざまな問題が絡む問題。
議論の行方を見守りましょう・・・・・・・

それでは また

BY ひろ☆たかさわ

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