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2017.8.18(金)
アビコ青年のディベート事件簿
File60「無敵の説得力への第一歩」(2017年8月18日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 60
本日のテーマは、「無敵の説得力への第一歩」です。

■人のふり見て、我がふり直せ
先日、同業の営業マンが集まる宴席で、
滑稽な会話に出くわしました。
語気を荒げた話し声に振り返ると、
そこには“個性派”で有名な他社の後輩が、
去年から職場に配属された新人のダメ出しをしています。
「社会人として、自覚が足りないと思うんすよ!」
「何度言っても、全然改善しないんすから困りますよ!」
などなど、日頃の不満を吐露しています。
ちなみに、彼は入社10年以上の社員。
“個性派”と書いたのは理由があります。詳細は割愛しますが、
「社会人としての自覚がない」「何を言っても聞き入れない」とは、
まさに彼自身がこの10数年の間、
多くの上司・先輩方から言われ続けた言葉なのです。
彼は自身に向けられる冷たい視線にも気づかず、
その後も熱弁をふるっていました。

■一番見えない存在、それは自分自身
こんな極端な例は稀では?そう思われるかもしれません。
ですが、意外なほど目にする機会は多いです。
例えば、弊社のセミナーに限らず、
週末にセミナーや勉強会に参加される方は、間違いなく向上心の強い方たちです。
ご自身が考える「課題」を克服するために、時間とお金を投資されています。
それにも関わらず、講師からの指摘(改善に向けたアドバイス)には
耳を傾けられないケースがあります。
講 師「まずは、もっと感情を込めた伝え方をした方が説得力はUPしますよ」
受講生「そうですか…でも、情熱的な話し方は普段から意識していますから、
    私はもっとロジックに強くなる必要があるのだと思います!」
こんなやり取りから始まることも実際にあります。

■自分を見つめる覚悟
よくよく考えてみれば、人は自分の姿を直接見ることはできません。
鏡や映像を通してしか、自分の顔かたちをみることはできません。
それ以上に、自分が他人にどんな印象を与えているのかを知るには、
第三者から見た自分の印象を教えてもらうしかありません。
その心構えがなければ、せっかく自己投資をしても、
吸収できる内容が半減してしまいます。
だからこそ、大切なのは「素直さ」です。
裏を返せば、大人の成長を妨げるものは、
自身の心に染みついた「余計なプライド」と言えます。

■優しさとは。厳しさとは。
優しい、という言葉の意味を考えれば、
本当の優しさとは、人との衝突を避けることではありません。
そうではなく、多少の軋轢を覚悟の上で、
勇気をもって相手に改善点を伝えることではないでしょうか。
当然、勇気をもって人に指摘をする本人にも、
強く求められる要素があります。
それは、自分自身をも厳しく律していることです。
そうでなければ、残念ながら冒頭の個性派な彼のように、
“言葉に力が宿らない”人になってしまいます。
もちろん、「相手のため」という大義名分を盾にして、
立場を利用した暴力になっていないか自省する能力も必要です。
これができないと、近年問題になっているパワハラになりかねません。
つまり、他人に厳しく接すると決めた瞬間に、
指導者たる本人にはそれ以上にみずからを厳しく律する必要があるのです。
それができなければ、他者を指導する資格はありません。
セミナー講師を務める者としては、
日々の生き方こそが講義の説得力を左右する現実を実感します。
その意識で踏み出す一歩一歩こそが、
何ものにも勝る説得力を生み出すのです。

■だからこそ、エートス(人間的魅力)
同じ言葉を発しても、その言葉を口にする人によって、
説得力は大きく左右されます。
その境目にあるものこそが、「エートス(人間的魅力)」なのです。
自分に優しく、人に厳しい人は支持されず、
自分に厳しく、人にも厳しい人の言葉は耳を傾けられ、
自分に厳しく、人には優しい人の言葉は甘受される。そう思います。
ふと思い返せば、
歴史上の尊敬される人物の多くがそうでした。
生き方こそが説得力。
万の言葉を述べるより、一つの背中を見せるだけで説き伏せる。
そんな人物こそが、最強の説得力を身に宿すと信じています。
小手先のテクニックに走らない、
真の説得力を追い求めていこうと思う、今日この頃です。
以上

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以上、アビコレポートでした。

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