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2015.6.12.(金)
アビコ青年のディベート事件簿
File33「シニカルではなく、クリティカルに」(2015年6月12日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 33
本日のテーマは「シニカルではなく、クリティカルに」です。
■「皮肉屋は所得が減ってしまう」!?
先日、ドイツのケルン大学から興味深い研究が報告されました。なんと「他人を肯定的に考えられる人は所得が増える一方、否定的な人は所得が減少してしまう」というのです。(オルガ・スタブロワ博士の報告)
その理由は、皮肉屋は人をあまり信用できないので、誰かと協力が必要な仕事の機会を逃してしまう。結果として、経済的成功の可能性も失ってしまうのだそうです。
実はこれまでにも、皮肉屋が「健康」「心の幸福」「結婚」など、人生の様々なシーンにマイナスの影響を与えていることが報告されてきました。今回の研究では、さらに経済的にも損をしてしまうことが判明したことになります。
■ポジティブな意味での「批判的思考」とは?
では、やみくもに「批判しない」「人を無条件で受け入れる」ことが、果たして健全なスタンスといえるのでしょうか?
辞書を調べると、「皮肉」と「批判」には下記の意味があります。
「皮肉」相手の欠点や弱点を意地悪く遠回しに非難すること。
「批判」物事に検討を加えて、判定・評価すること。(引用:大辞林)
さらに、「クリティカル・シンキング(批判的思考)」という言葉があります。
意味は次の通りです。
「物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること」(大辞林)
つまり、皮肉と批判では、その意味合いが大きく異なります。
皮肉は、言い換えれば「斜に構えたモノの見方」です。
一方、ポジティブな意味での批判とは「物事の本質を見極めるための見方」と言えます。
その意味で、「批判」「批判的思考力」とは、様々なシーンで活かせる武器になります。
そして、この力を存分に鍛えられるのが、間違いなくディベートなのです。
■法則12「複数の『立場』から考えれば解決策が見える」
なぜ、ディベートが批判的思考力を鍛えられるのか?
その秘密の一つに「対立する相手の考えも、とことん理解する必要がある」ことが挙げられます。(出典:「話し方にもっと自信がつく100の法則:法則12太田龍樹著 中経出版)
ディベートでは、試合当日まで肯定側・否定側のどちらを担当するのか分かりません。
ですから、自分の意見に関係なく、常に両方の立場を学習します。
両面から物事を見つめるからこそ、物事の本質に迫ることができるのです。
言い換えれば、相手の価値観まで理解した上で話せるようになるので、結果として説得力ある話ができるようになるのです。
社会で起きている問題も、一面で捉えて解決することはありません。
原発問題、TPP、死刑制度廃止・・・どれも一面ではなく、多方面から問題に切り込まなければ、その本質に迫ることはできません。
仕事も同じです。様々な利害関係者がいるからこそ、多面的に思考する必要があります。
そう考えると、いつの時代もディベート的思考法は有力な武器になることがご理解頂けると思います。
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以上、アビコレポートでした。

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