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2015.2.2.(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第90回 「白鵬の審判部批判問題」(2015年2月2日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわの ディベートちょっといい話  第90回
こんばんわ
テロの恐怖が世界をかけ抜ける
寒い寒い週末だったわね。
横綱・白鵬が
大鵬の持つ優勝回数32回を抜いて
単独トップとなる33回目の優勝を果たして1週間がたったわ。
歴史に残る偉業よ。間違いなく。
このコラムでも、優勝するたびに触れてはきたけど、
ご存じのとおり、
場所後の記者会見における審判部を批判する発言で、
物議を醸しだしてしまった。
「品格ある横綱」が問われている。
今回の問題だけでなく、
立ち合いの張り手や、勝負が決まってからのダメ押し、
懸賞の取り方なども問題視されている。
でも、みなさんが言っている
「品格がないよね~」だけの、負の側面だけみるのは
その偏った見方は、まったく分析としては偏っている。
ディベート思考の原点に戻る。
まず、前置きとして
相撲の審判制度について、見てみるわ。
大相撲では、勝負は「行事(ぎょうじ)」がまず判定する。
微妙な判定でも、どちらかに軍配をあげなくてはならない。
それでも誤りが無いように、土俵下の勝負審判が
判定に疑義があるときは「物言い」といって
行事の判定が正しいかどうかの協議をする。
ビデオの映像を参考にもできる。
相撲のルールは単純なように見える。
土俵の徳俵(丸い枠の部分)より外に出た場合、
あるいは、足の裏以外の部分が土俵についたら負け。
だから、倒れてなくても足の甲の部分が返って砂(地面)についても負けだし、
手の指先が一瞬でもついたら負けなのよ。
ちょんまげや、掴んではいけない部分をつかんでもいけないし、
身体が地面についてなくても
空中にあっても完全に裏返ってそのまま地面に倒れるのが確実であれば
相手がさきに手をついても負けになることもある。
つまり、複雑なのよ。
これに関し、白鵬の言い分はこうだ。
「完全に自分が勝っている。子供が見てもわかる。
真剣勝負なんだから、ちゃんと見てほしい。
取直しの重みをわかっているのか??」
そして、最後には、「肌の色は関係ない」という
外国人差別のことを口にしている。
「横綱としての品格があるのか?」という問いに対して、
この一件を含め、厳しい見方をされているが、
この発言をきいて、あたしなりに感じ取れることもある。
それは、いままで八百長を助長し続けた相撲協会と白鵬の関係であり、
いくら強いといっても、
孤独な白鵬の胸の内。
どんな世界でも、
強いものがずっと台頭し続けるなんて不可能だし
あってはならない。
人間だから、気力体力も衰えるし、心の隙もある。
モンゴルからでてきた小柄な少年が、
ここまでの偉業を成し遂げたことが、どんな道のりだったか想像を絶する。
かつての北の湖や千代の富士、そして貴乃花が
どんなにすばらしいか知らないけど、
いま、事実上ひとりで背負っているし、
むしろ、はやく自分を超える存在が出てほしいと思ってるのでは??
でも、なかなかライバルが現れない歯がゆさがある。
なので、
プロの勝負師として、そして協会を背負う責任感は理解できるけど、
くしくも新記録更新のかかった稀勢の里戦の一番で、でてしまった。
ただし、そのうえで
審判を批判することの是非についてだ。
それを、公の記者会見でやってしまった
白鵬の行動について。
審判は、あくまでも勝負の協議をする。
ルールや見方も複雑な部分がある。
ぎりぎりの精神状況のなかで闘っている部分と
勝負審判という、それなりに実績を残した親方衆がくだす
神聖な領域に踏み込んでいく部分のはざまで
自分のなかで理解納得していかなくてはならない。
プロとして当然の感情なのだけど、
そこに、「日本の相撲道、その第一人者」という人格問題が出てくる。
そして、今回は
場所後の記者会見での発言ということは、
冷静なった段階での批判だ。
いや、祝賀会のお酒がのこっていたという報道があるが、
勝負の直後とはわけが違う。
つまり、これは協会に対する深い意図がある批判とみるのが正しいと思う。
ここを、ぐっとこらえるのが横綱なのか?
相撲道なのか?
ずっと記録を保持していた大鵬と交友関係があり
白鵬の相撲を見続けているといわれている龍鵬(りゅうほう)は
記者団の質問にこたえ
「記録を乗り越えた精神力は、素直にすごいよね。
日本にきたときは、本当に70キロくらいの小さい体だったんだよ。
でも、15年でよくぞここまで成長したと思うよ。
あのやわらかい体と基本に忠実な相撲が、
けがもなく、安定感のある相撲をつくったんだよなあ。
相撲の歴史をよく勉強してるし、震災復興のときもいち早く行動していた。
だから、その人間的に魅力を鍛えるために
一番大事な周囲のひとに気をつかわんとなあ。
この功績やいままでの努力は、最大限に評価するけど・・・・
口にするのは簡単だけど、自分の想いだけを語ってはいけない場面も
あるんだよね。」
もと、力士で俳優の故・龍虎の知人であり
ちまたでが龍鵬の妹では?とささやかれている龍子(りゅうこ)は
「あの発言は残念よね。大鵬超えという歴史ある瞬間に
なぜ泥を塗ってしまったのかしら?
スマップの番組で謝罪してたけど、
きちんと記者会見しないところをみると
やっぱり腑におちてないのね・・・・・・・。
まあ、あたしは高見盛がいなくなっちゃって残念だけどね。」
と述べている。
なぜ、白鵬は、この大事なときにそのような発言をしたのか?
相撲の歴史を十分勉強した白鵬は「品格」のことは充分理解しているはずだ。
ではなぜ??口が滑ったいうレベルではない。
でも、ここを我慢してほしい。
なにか、もうすべてをなげうってしまったようにさえ見える。
だれもついてこない。
「審判は、人種差別をしてまで
命がけの真剣勝負に水を差す。」
そう、白鵬の心の中のほうが心配だ。
マスコミも相撲ファンも
しっかり白鵬の両面をみて判断してあげてほしい。
ギリギリの状態で闘う、孤独なのが横綱。
だから、この発言は許してはいけない。
本当のエートスを極めた横綱であり続けるために・・・・・・
それでは また
BY ひろ☆たかさわ

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