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2014.5.12.(月)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第52回 「安楽死問題」(2014年5月12日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話 第52回


こんばんわ

サラリーマンのみなさんも今月からクールビズ、
いよいよ暑さも本格化しそうね。
満員電車も熱気をおびてくるわ。


その電車のことで、こんなデータがある。
鉄道での自殺が平成24年631件で前年比30件増えたそう。
(国土交通省のデータ)
「ホームドア」がホームと線路の壁としてだいぶ普及しているが、
自殺を抑える決定打にはなっていない。
ひとの命の重さを考えてみたい。

年間3万人いた自殺者は、
内閣府のデータによると、
平成24年には27,858人と3万人をきったものの、
依然として自ら死を選ぶひとがあとをたたないわ。

以前コラムで書いた袴田事件での冤罪問題、
死刑制度の廃止議論をふたたび呼び起こす。
ひとの命に「国家」が手をくだすことの是非はもちろん、
自白を強要されるケースが、
2年前のパソコン遠隔操作問題でもおこっている。
捜査の可視化が検討されているけど、無罪のひとがいまだに自白しちゃうって
本当にこの問題を語る以前のことよね。


また、先日『ニコニコ超会議』のディベートで採り上げられた
「安楽死問題」について。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv174983767

いくら本人の意思であっても、ひとの命に医師が手をくだすことが
許されるのかを、
この問題は、患者の基本的人権や尊厳とともに問う。
死刑制度問題とは逆に、命を絶つことを認めようとする問題。
終末期で余命わずかな患者が
苦しみもがいていて、他に手段がなくなれば
本人の意思に基づき、医師が患者に安楽死させることを認めるもの。


生命倫理の問題は、
生殖技術や脳死の問題も含めて、
範囲が広く、専門性が高い。

このような「ひとの命」をディベートで扱ってみると、
ひとつの問題にぶつかる。
それは、肯定と否定の論を比較するときに
単に「メリットデメリットで比べていいかどうか?」ということ。

専門家が、科学的に正しいと判断する。その研究成果を発表する。
あるいは、経済合理性の面から実行すべきだという。
また、遺族の感情を考える。
さまざまなキャストがでてきて、それぞれに価値判断の基準がちがう。
それを、知識のない第三者(ジャッジ)が
比較して判断することは、
限られたディベートの時間のなかでは難しい。
だからこそ、それをいかに伝えるかを考え表現する、
ディベートこそが、最高の勉強の形でもある。

現実社会では今でも簡単に答えがでないのよね。
国によって文化も宗教も違うし、すでにある法律の解釈も考慮すると、
ますます複雑になるわ。


ただ、この生命の問題でも
「ひとの命を絶つ」ということは、その絶たれた命については
そこですべてが終わってしまうということ。
この事実は変えられないのよね。
これを機会に、自殺問題や死刑・安楽死の是非、
脳死判断や遺伝子治療の問題も
深く考えてなくては・・・・・・


ちょっと重たい話になってしまったけど、
必死に病と闘い、目の前の難題にぶつかり、
それでも「生きよう!!」と走り続けているひとのためにも、
持てる命の重さをかみしめながら・・・・・・・


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

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